研究概要 |
1.一酸化炭素(CO)中毒(3000ppm COの40分間曝露)では、ラット線条体のヒドロキシラジカル(・OH)の生成が増加した。 (1)COによる・OH生成は、Na^+ channel blockerであるtetrodotoxinにより抑制された。 (2)CO中毒では、細胞外glutamate(Glu)も増加したが、MK-801とNBQX(Glu受容体拮抗薬)は、COによる・OH生成に対して何ら作用をおよぼさなかった。 (3)α-Methyl-p-tyrosine(dopamine(DA)合成阻害薬)、clorgyline (DAの酸化的代謝阻害薬)およびdexamethazone 21-phosphate(phospholipase A_2阻害薬)は、COによる・OH生成に対して何ら作用を及ぼさなかった。 (4)一酸化窒素(NO)合成酵素阻害薬およびL-argimine(L-Arg ; NO前駆体)とそのenanitiomer(D-arg)のCOによる・OH生成に対する作用は、複雑であった(これは、ひとつには線条体のNO系が外因性L-ARgに対して感受性が低いことに起因するかもしれない)。 (5)細胞外Ca^<2+>非存在下では、COによる・OH生成が遅れて観察され、これはdantrolene (sarcoplasmic reticulumからのCa^<2+>放出の阻害薬)により抑制された。 (6)低酸素性低酸素(HH;5%O_2の40分間)でも・OH生成が観察されたが、それはCO中毒の場合ほど多くなかった。 2.CO(3000ppm,40分間およびHH(5%O_2 40分間)は、動脈血のO_2 contentsおよびoxyhemoglobinは同等の変動を惹起したが、pO_2の変導は異なっていた。また、線条体の細胞外アミノ酸(Glu, taurine and alanine),血流量およびpO_2は、これらで同程度の変動であった。
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