研究課題
基盤研究(C)
対象:平成10年にがん専門施設に入院中であった肺癌患者95人(男性70人・女性25人、49歳以下17人・50歳代と60歳以上それぞれ39人)を対象とした。データ収集:診療録および主治医から次の情報を得た。1)ベースライン時の臨床データ:病期、病理組織診断など。2)治療内容:手術、放射線療法、化学療法など、追跡期間に施されたすべての治療方法。3)診断日から約5年目での生存情報ならびに死亡日と死因。また、日本語版Short Interpersonal Reactions Inventory(永野ら、2001)を用いてGrossarth-Maticekらの提唱する疾病親和性・健康的パーソナリティ(タイプ1〜タイプ6)を測定した。解析:診断から6ヶ月以内であった68人を解析対象とし、Cox比例ハザードモデルを用いて人口統計的要因、臨床的要因、およびパーソナリティ要因と生存との関連を検討した。結果:タイプ1得点が高い患者およびタイプ4得点が低い患者では、診断時の病期が進行している傾向にあった。単変量解析ではタイプ1およびタイプ5得点が高いことが不良な予後と関連していたが、年齢、一般状態、および病期を補正するとタイプ1と予後との関連は不明瞭となり、タイプ5のみが有意な予後規定因子として残った。結論:肺癌患者において、タイプ5パーソナリティが不良な予後規定因子である一方、タイプ1やタイプ4は独立した予後因子ではないかもしれない。本研究の意義:パーソナリティとがんについての過去の文献を系統的にレビューしたが、肺癌についての文献は稀少であり、Grossarth-Maticekパーソナリティについての研究は皆無であった。我が国における肺癌の重要性を考えれば、より規模の大きな研究、できれば各病期ごとの層別解析が可能な研究によって追試を行っていく必要があると考えられた。
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