研究課題/領域番号 |
15590681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
米田 政志 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (30261407)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ニコチン / 肝病態 / 神経伝達物質 / 肝血流 |
研究概要 |
喫煙が健康に及ぼす影響に関する研究は呼吸器疾患を中心として種々行われているが、肝臓に関しては殆ど行われていない。申請者はニコチンの肝生理機能および病態に与える影響をラットを用いて検討した。ウレタン麻酔下でラットの門脈内へニコチン投与すると用量依存性に門脈圧が上昇すると共に肝血流が減少した。さらにニコチン投与前に抗エンドセリン-1抗体、エンドセリンA受容体拮抗薬、エンドセリンB受容体拮抗薬およびエンドセリンA受容体拮抗薬+エンドセリンB受容体拮抗薬前投与を行った。ニコチン門脈内投与による本作用はエンドセリンA受容体拮抗薬およびエンドセリンB受容体拮抗薬の前投与によって部分的に抑制され、両拮抗薬あるいは抗エンドセリン-1抗体によって完全に消失した。以上の結果より、ニコチンはエンドセリンを介して門脈血管抵抗性を上昇させることで肝血流を減少させることが明らかとなった。 次に中枢性ニコチン投与が肝血流に及ぼす効果を検討した。ニコチンを大槽内に投与すると用量依存性に門脈圧が上昇し、肝血流量が減少した。さらに本ニコチンの中枢投与による肝循環への効果は迷走神経肝臓枝切断術とアトロピン前投与の影響は受けなかったが、フェノールによる交感神経除去および6-HHDAによるノルアドレナリン作動性神経の除神経によって消失した。以上の結果より、ニコチンは中枢神経系に作用して交感神経およびノルアドレナリン神経を介して門脈圧を上昇させ、肝血流を減少させることが示唆された。
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