研究課題/領域番号 |
15590696
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
石渡 俊行 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90203041)
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研究分担者 |
内藤 善哉 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20237184)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | fibroblast growth factor / FGF-7 / FGF-10 / pancreatic regeneration / KFGR / nestin / pancreatitis / 線維芽細胞増殖因子 / 膵再生 / KGFR |
研究概要 |
線維芽細胞増殖因子受容体ファミリーのKeratinocyte growth factor receptor(KGFR/FGFR2IIIb)は上皮細胞に局在し、線維芽細胞増殖因子(FGF)-7とFGF-10が結合することにより各種上皮細胞の増殖や分化に関与していることが知られている。近年、膵臓の発生分化過程において、FGF-10が重要な役割を果たしていることが報告されている。ラットの急性膵炎モデルにおいてはFGF-7とFGF-10が膵炎の回復期に産生され、再生腺房細胞には正常の腺房細胞に見られないKGFRが発現している。またKGFRは正常膵臓と膵炎組織の膵島に豊富に局在していることから、膵島の機能、形態の維持にも重要と考えられる。FGF-7,FGF-10の慢性膵炎後の膵再生における役割を検討するため、Dibutyltin dichloride(DBTC)をラット頸静脈内に投与し、実験膵炎モデルを作成した。ラット慢性膵炎組織においては、膵島細胞に加えて多数の膵管細胞と再生腺房細胞にKGFRの局在が認められた。これらのことから膵管細胞と腺房細胞の増殖分化にFGF-7,FGF-10がKGFRを介して作用していると考えられ、KGFR陽性細胞の一部は分化能を有する膵前駆細胞である可能性も示唆された。一方、神経細胞のstem cellに発現するnestinが、膵島細胞にも局在することから膵の前駆細胞として膵臓の再生に重要な役割を果たすものと注目されている。ラットの急性膵炎モデルにおいてnestinの局在を検討したところ、nestinが膵島と膵炎後に新生する血管内皮細胞、myofibroblastなどに豊富に認められることを確認した。慢性膵炎モデルでは線維化巣の間質細胞に局在がみられた。これらのことよりnestinが膵臓の血管新生と膵臓の上皮系細胞の再生に関与していることが考えられ、KGFRの局在と比較検討し、膵臓の前駆細胞の組織標本上での同定と再生誘導治療への応用を検討中である。
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