研究課題/領域番号 |
15590699
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
中村 秀次 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20237423)
|
研究分担者 |
今西 宏安 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60340957)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 肝幹細胞 / Oval細胞 / 肝癌由来増殖因子HDGF / 肝発生 / Transgenic mouse / 肝細胞増殖 / 肝細胞分化 / 肝細胞癌 / 肝再生 / 幹細胞増殖 |
研究概要 |
1.肝細胞のprogenitor細胞の分化・増殖におけるHDGFの役割 Oval細胞は肝細胞と胆管細胞に分化しうるbipotentailなprogenitor細胞の一つである。ラットのAAF/PHのOval細胞発現モデルを用いて、Western blotおよびNorthern blot解析にてHDGFの発現はOval細胞の出現と一致していた。抗HDGF抗体による免疫染色法(IHC)およびIn situ hybridization(ISH)法にてHDGFはOval細胞に発現していることを確認した。Western blotにてHDGF蛋白はラットOval細胞の培養株Oc15-5において多量に発現し、抗HDGF抗体によるIHCではOc15-5の核に強く染色され、細胞質にも染色が認められた。Oc15-5に対するrecombinant HDGF添加による細胞増殖促進効果は、Oc15-5の高増殖能およびHDGFの高発現により軽度であった。一方、内因性HDGFの発現抑制によりOc15-5の細胞増殖が抑制された。以上より、HDGFはOval細胞の自立増殖に深く関与していることが示唆された。また、PPARγ受容体のリガンドである15d-Prostaglandin(PG)J2およびciglitazone投与によりOval細胞の増殖が抑制されることを明らかにした。15dPGJ2によるOval細胞の増殖抑制には、HDGF発現の抑制が認められることより、HGDFの発現抑制も関与していた。 2.HDGF transgenic mouse肝臓における形態的変化と遺伝子発現の解析、および肝細胞の増殖能、分化能の解析 アルブミンプロモーターを用いたHDGF transgenic(Tg)マウスを作製した。生後12週目の成体マウス肝では通常TOが発現誘導され、G6Paseの発現低下が認められるが、HDGF-Tgマウス肝ではTOは発現誘導されず、G6Paseは高発現を維持していることを明らかにした。HDGF過剰発現により成熟な肝細胞への分化が抑制される可能性が示唆されることを学会報告した。 一方、NIH3T3細胞でのHDGF過剰発現によりヌードマウスにおいて腫瘍が形成されること、HDGFの発現がヒト肝癌の再発、生命予後に有意に関連していることを明らかにした。一部のHDGF-Tgマウスにおいて、18ヶ月の肝臓に腫瘍の発生が確認された。HDGFの持続的な高発現は肝腫瘍発生に深く関与していることが示唆された。 3.マウス肝発生におけるHDGFの役割 肝発生早期でのHDGFの発現をIHC及びISH法にて解析しているが、肝臓において高発現しているが、他の臓器との関連性については現時点では明確な結論を出し得ない状況であり、切片のきり方を工夫して再検討している。 HDGFゲノムDNAの解析を行い、HDGFのプロモーター領域の解析を行っている。現在、HDGFノックアウトマウスを作製中である。
|