研究課題/領域番号 |
15590712
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
奥村 謙 弘前大学, 医学部, 教授 (20185549)
|
研究分担者 |
長内 智宏 弘前大学, 医学部, 助教授 (00169278)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 冠攣縮性狭心症 / Phospholipase C-δ1 / small G蛋白 / P122蛋白 / Vasospastic angina / Hypertension / Phospholipase C / Transgenic mouse / Intracellular calcium / Acethylcholine |
研究概要 |
収縮機構のKey enzymeであるPhospholipase C (PLC)のisozymeであるPLC-δ1はCa^<++>により活性化され、細胞内Ca^<++>濃度のさらなる上昇とアゴニストに対する反応性の増大を惹起する。我々は、冠攣縮性狭心症患者から得られた培養皮膚線維芽細胞の膜分画PLC活性が亢進しており、PLC活性と冠動脈のbasal toneおよび収縮刺激に対する反応性が正の相関を示すこと、PLC活性亢進の主体はPLC-δ1であることを明らかにした(J Am Coll Cardiol, 2000)。さらに最近、我々はPLC-δ1の構造解析により、257番目のアミノ酸がアルギニンからヒスチジンへ置換するR257H亜型を発見し、機能解析によりR257H亜型のPLC-δ1活性は亢進しており、アゴニスト刺激に対する細胞内Ca^<++>の上昇反応が大であることを見出した(Circulation, 2002)。一方、R257H亜型PLC-δ1は男性患者の約10%で認められたのみで、他の機序によるPLC-δ1活性亢進について検討を進めてきた。 PLC-δ1活性の調節因子として、PLC-δ1活性に抑制的に作用するsmall G蛋白のRhoAと、PLC-δ1活性を亢進させるP122蛋白が知られている。そこで冠攣縮性狭心症患者(n=11)とコントロール群(n=9)の皮膚線維芽細胞におけるRhoA及びPI22の細胞内発現量をWestern blot法にて検討したが、RhoAの蛋白発現は両群間に差を認めなかったものの、P122の蛋白発現は下図のように冠攣縮性狭心症患者で著明に亢進していた。PLC-δ1の蛋白発現は両群間に差を認めなかった。以上より、冠攣縮性狭心症患者におけるPLC-δ1活性亢進の機序の一つとしてP122蛋白の発現亢進が示唆された。
|