研究課題/領域番号 |
15590747
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
久留 一郎 国立大学法人鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60211504)
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研究分担者 |
井川 修 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助教授 (80252857)
谷口 晋一 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 講師 (30304207)
二宮 治明 (二宮 冶明) 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助教授 (80212124)
倉田 康孝 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (00267725)
森崎 隆幸 国立循環器病センター, バイオサイエンス部, 研究部長 (30174410)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ES細胞 / ペースメーカー活性 / イオンチャンネル / T型Caチャンネル / 心房細動 / ユビキチン・プロテアソーム / Na channel 阻害剤 / 蛋白安定化 / Kv1.5 / HSP70 / ユビキチン化 / 細胞内トラフィック / 小胞体品質管理機構 |
研究概要 |
Na channel阻害剤であるlidocaineならびにpilsicainideはプロテアソームにより分解されるKv1.5蛋白を安定化しユビキチン化フォームを増やした。さらに本剤は小胞体ならびにゴルジ体でのKv1.5の局在を増やし、細胞膜でのKv1.5でコードされるI_<Kur>を増やした。さらにNa channel阻害剤はクラス効果として20Sプロテアソーム活性を阻害したが、一方でCa拮抗剤やKチャンネル阻害剤は20Sプロテアソーム阻害効果を認めなかった。Na channel阻害剤は半減期の短いp53ならびにIKK2の蛋白を安定化しそのユビキチン化フォームを増加させた。さらにNa channel阻害剤のp53蛋白安定化作用はp53のE3リガーゼのdominant negativeを共発現させることで消失した。以上の結果はNa channel阻害剤が20Sプロテアソーム活性を阻害することで半減期の短い蛋白を共通して安定化し、その機能性蛋白を増加させることが明らかとなった。心房細動時にその心臓型ATP感受性Kチャンネルの活性が現弱することが知られている。ATP感受性KチャンネルはKir6.2とスルフォニール受容体(SUR2A)の4量体で形成される。Kir6.2の半減期は短くプロテアソーム阻害剤にて蛋白が安定化しユビキチン化フォームが増加すること、さらにプロテアソームの阻害によりKir6.2とSUR2Aの共発現系ならびにラット胎児心筋の初代培養系において心臓型ATP感受性Kチャンネル活性を有意に増加できた。以上の結果はKir6.2蛋白はユビキチン・プロテアソーム系で分解しプロテアソーム阻害剤により機能性の心臓型ATP感受性Kチャンネルを増加させることを明らかにした。Na channel阻害剤であるaprindineはKir6.2蛋白の半減期を延長し、Kir6.2蛋白を安定化し同時にユビキチン化フォームを増加した。またSUR2AとKir6.2との共発現による心臓型ATP感受性Kチャンネル活性をaprindineは増加することが出来た。一方、患者のKir6.2のSNPs解析によりユビキチン・プロテアソームの標的リジンのSNPsが存在することが判明した。これらの結果からNaチャンネル阻害剤によるプロテアソーム系の制御により心房細動時に減少するチャンネルを増加できること、さらにその薬剤反応性にはSNPsで規定される多形性が存在することが明らかとなった。
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