研究課題/領域番号 |
15590750
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石田 隆史 広島大学, 病院, 講師 (40346482)
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研究分担者 |
石田 万里 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (30359898)
吉栖 正生 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20282626)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 血管平滑筋 / 高血圧 / 動脈硬化 / シグナル伝達 / Mnk / Mnk1 |
研究概要 |
(1)ラット培養血管平滑筋細胞においてMnk1はAngiotensin II(AngII)により5分以内に活性化され、Mnk1の基質として知られているeIF4Eは10分でリン酸化を受けた。Mnk1のドミナントネガティブ(DN)フォームを細胞に導入することによってeIF4Eのリン酸化は阻害された。Mnk1とeIF4Eの活性化はDN-MEK1によって阻害されたがDN-p38MAPキナーゼによっては阻害をうけなかった。低分子量G蛋白質のDNのうち、DN-Rasのみが完全にMnk1とeIF4Eの活性化を抑制した。さらにMnk1の特異的阻害剤であるCGP57380の前処置により、AngIIによる蛋白合成および細胞面積の増加が抑制された。以上より、AngIIはMnk1、eIF4Eを活性化し、その活性化にはRas-ERKのシグナル伝達経路が関与していることが明らかとなった。また、このMnk1-eIF4Eの活性化はAngIIによる血管平滑筋細胞における蛋白合成促進および細胞肥大に強く関与していることが示唆された(Ishida et al. Circulation Research 2003;93:1218)。 (2)酸化ストレスによるMnk1/2の活性化と核内移行;酸化ストレスによってMnk1/2は強く活性化された。しかしAngIIによる活性化と異なり、酸化ストレスによるMnk1/2の活性化にはERKとp38MAPKの2つのMAPキナーゼが関与していることが明らかとなった。またチロシンキナーゼc-SrcがMAPキナーゼの上流において、酸化ストレスによるMnk1/2の活性化に関与していた。さらに我々は酸化ストレスによりMnk1/2が核内に移行することを見出した。興味深いことに、MKk1/2は核内において小斑状に局在していた。このことはMnk1/2が核内のPML bodyなどの高次構造体に移行、局在し転写調節などに関与している可能性が高いことを示している。 (3)Mnk1の新規基質の探索;培養血管平滑筋細胞に恒常的に活性の高いMnk1の変異体、あるいはベクターのみを遺伝子導入した細胞より抽出した核分画を二次元電気泳動で分離し、リン酸化蛋白の増減を観察した。活性型Mnk1を導入した細胞においてリン酸化の増加しているスポットが数個確認された。以上の結果はMnk1の未知の基質が核内に存在することを示唆している。
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