研究課題/領域番号 |
15590770
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
新村 健 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70206332)
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研究分担者 |
長井 麻衣子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10306714)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | シクロオキシゲナーゼ / 一酸化窒素合成酵素 / 心筋梗塞 / PGE_2合成酵素 / matrix metalloproteinase / 線維化 / 虚血再灌流傷害 / 虚血条件付け / プロスタグランジンE_2 |
研究概要 |
心臓におけるシクロオキシゲナーゼ(COX)-2の役割をさまざまな病態において検討した。 1)COX-2^<-/->ノックアウト(KO)マウスにおける心臓ならび腎臓線維化の機序を検討した。COX-2KOマウスにおいて8週齢より腎皮質の菲薄化、腎機能の悪化がみられ、腎臓における膜結合型PGE_2合成酵素(mPGES)とmatrix metalloproteinase(MMP)-2の発現低下が観察された。16週齢では腎臓の線維化が出現し、心臓においてもmPGESとMMP-2の発現低下が観察された。以上の結果より、構造的COX-2は、mPGESとの機能的カップリングによるPGE_2合成を介して、心臓や腎臓の線維化を制御している可能性が高い。 2)心筋梗塞(MI)後心リモデリングにおけるCOX-2と誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の相互作用を明らかにするために、マウスにin vivo MIを作成し、3日目のMIサイズを比較した。iNOS^<-/->KOマウスにおけるCOX-2発現、MIサイズ、MI後死亡率はwild-typeマウスと同等だった。MI作成後3日間のCOX-2阻害薬投与は、wild-typeマウスでは、MIサイズの縮小傾向を認めたが、一方iNOS^<-/->KOマウスではMIサイズをむしろ増大し、死亡率を上昇した。以上の結果より、MI後に誘導されるCOX-2は、iNOS活性の有無により、心保護的にも傷害的にもなりうることが明らかにされた。 3)他に卵巣摘出ラット(閉経モデル)、カロリー制限(抗加齢療法)加齢ラット、c-Src^<+/->KOマウスにおいて心筋虚血再灌流傷害の程度の変化と虚血条件付け現象の誘導の有無を検討し、心筋COX-2発現やプロスタノイド産出機構の変化と対比した。その結果、それらの病態における心筋虚血再灌流傷害や虚血条件付け現象発現の変化において、心筋COX-2がなんらかの役割を担っている可能性は低いと結論された。
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