研究課題/領域番号 |
15590773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
本郷 賢一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00256447)
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研究分担者 |
川井 真 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40277025)
小武海 公明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60360145)
草刈 洋一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80338889)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | マウス心筋 / 細胞内Ca濃度 / 拡張障害 / アシドーシス / 筋小胞体Caポンプ / 細胞内カルシウム濃度 / アンジオテンシンII / 心不全 |
研究概要 |
本研究は心不全、特に拡張機能障害の分子機構を明らかにすることを目的として開始した。当初圧負荷心不全モデルを作成しその機能評価を行う予定であったが、不全期の心機能について安定した評価が困難であったため、心筋虚血時収縮力低下に重要なアシドーシス(Acid)条件及び遺伝子改変モデル動物を用いて研究を継続した。 実験方法として、マウス左室乳頭筋標本にエクオリン法を適用した細胞内Ca濃度変化(CaT)と収縮張力の同時測定法、左室肉柱標本を界面活性剤処理したサポニンスキンド標本による筋小胞体機能評価法及び単一心室筋細胞に蛍光色素を用いた細胞内イオン濃度と細胞収縮の同時測定法を用いた。 Acid条件下では、張力は瞬時に減少するのに対しCaTは増加し、更に張力はAcid経過中に若干の改善を認め、Acidからの回復期には一過性の増大を認めた。CaTの時間経過はAcid中に著明に延長し拡張障害の一因と考えられた。同様の実験を異なる静止時筋長にて施行し、短い筋長においてAcid後の回復期の収縮力が保持される傾向を認めた。 次に筋小胞体Caポンプ(SERCA)機能につき検討を行った。SERCA過剰発現マウス(SERCA-TG)ではCaT・張力の増大と時間経過の促進が、SERCA機能抑制蛋白サルコリピン(SLN)過剰発現マウス(SLN-TG)ではCaT・張力の減弱と時間経過の遅延が認められた。筋小胞体へのCa取り込み速度はSERCA-TGでは促進傾向が、SLN-TGでは減弱傾向が認められたが、Ca貯蔵量には有意な変化は認められなかった。Acid条件をSERCA-TGに適用したところ、Acid中の張力低下及び回復期の張力保持ともに著明な改善が認められ、またCaT時間経過の延長を伴わず拡張機能の改善も認められた。 以上の結果より虚血時収縮力抑制に対し筋長依存性調節が代償性に作用する可能性及び拡張障害に対しSERCA機能調節が重要な役割を果たしていることが示唆された。
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