研究概要 |
1.ヒト肺線維症における小胞体ストレス ヒト肺線維症の生検肺を用いて、小胞体ストレスの指標となる、GRP78,CHOPの発現を免疫染色、western blot法によって検討した。その結果、GRP78,CHOPの発現は、肺線維症の肺上皮細胞において有意に増強していた。また、連続切片による染色によって、上皮細胞のアポトーシスと関連していると考えられた。 2.ブレオマイシン肺臓炎モデルにおける小胞体ストレス ブレオマイシン肺臓炎モデルにおいて、GRP78,CHOP, caspase-12の発現について検討した。いずれの発現もブレオマイシン気管注入後に、肺胞マクロファージと上皮細胞において増強していた。アポトーシスとの関連が疑われたが、Caspase-12のsiRNAを投与しても肺臓炎自体は抑制されず、他のアポトーシスの経路が主たる役割を果たしていると考えられた。 3.Lipopolysaccharide(LPS)投与による急性肺損傷モデルにおける小胞体ストレス LPS惹起急性肺損傷モデルにおいて、GRP78,CHOP, caspase-12の発現を検討したが、いずれの発現も有意な増強を認めず、小胞体ストレスは、本もデルにおける血管内皮や上皮細胞のアポトーシスにおいてはあまり重要な働きはしていないと考えられた。
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