研究課題/領域番号 |
15590817
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
迎 寛 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80253821)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | HSP47 / デフェンシン / ピルフェニドン / コラーゲン / ブレオマイシン肺臓炎 / 肺線維芽細胞 / 配線維芽細胞 |
研究概要 |
Heat shock protein 47 (HSP47)はコラーゲンに特異的な分子シャペロンとして機能している。近年、肝硬変などの線維化に対するHSP47の関与が報告されている。今回、我々は肺線維芽細胞におけるHSP47とコラーゲン産生に対する抗菌ペプチドで好中球に存在するαデフェンシンの作用(in vitro)とブレオマイシン肺臓炎モデルを用いた肺線維化とHSP47の関連性(in vivo)についての研究を行った。まず、種々の濃度のαデフェンシンやTGF-βで肺線維芽細胞に対する刺激を行った。HSP47やコラーゲン1のmRNAの発現はαデフェンシン25μg/mlの刺激でコントロールと比較し、有意な増強を認めた。また、HSP47やコラーゲン1の蛋白の産生もαデフェンシンの濃度依存性に増加していた。また、TGF-βでも同様な発現増強がみられたが、抗線維化薬であるピルフェニドンはHSP47とコラーゲンIの発現を抑制した。in vivoの実験ではマウスブレオマイシン肺臓炎モデルで線維化と肺でのHSP47mRNAの発現の増強はよく相関しており、ピルフェニドン投与群においてはAshcroft score、ハイドロキシプロリン量ともに有意に抑制されていた。また、免疫染色にてHSP47、α-SMA、F4/80陽性細胞数は有意に減少していた。今回の検討でαデフェンシンが肺の線維芽細胞に直接作用して、HSP47の発現やコラーゲンの産生を亢進させることにより、肺の線維化に関わっていることが明らかとなった。また、HSP47陽性細胞は活発なコラーゲンの産生能を有し、線維化の進展に重要な役割を果たしており、ピルフェニドンはこれらの細胞の増殖を抑制し、その結果線維化自体も抑制されるものと考えられた。これらのことから今後IPFの治療にHSP47やαデフェンシンをターゲットとした研究が期待される。また、抗線維化薬のピルフェニドンはIPFの治療でも有効である可能性が示唆ざれた。
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