研究課題/領域番号 |
15590821
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
木村 弘 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20195374)
|
研究分担者 |
吉川 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80271203)
福岡 篤彦 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10336852)
玉置 伸二 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (30347546)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 睡眠時 / 無呼吸 / 動脈硬化 / 低酸素 / サイトカイン / アディポネクチン / CPAP / 粥状硬化症 / 睡眠 / 細胞外マトリックス |
研究概要 |
OSAS患者群(重症群;AHI≧30、軽中等症群;AHI<30)と非OSAS群を対象として、動脈硬化病変の発症増悪因子としての睡眠時低酸素血症の関与について検討した。 検討1:OSAS群33名、非OSAS群13名を対象とした。PSG施行後の翌朝6時にヘパリン加採血を行い、検体採取後直ちにプラスチック付着法で単球を分離し、細胞数を2.5×10^6/mlに調整後、LPS10μg/mlの刺激下で24時間培養し、培養上清中のTNF-α、MCP-1濃度をELISA法で測定した。また、重症OSAS症例を対象に、3ヶ月間のCPAP治療後に、再度、同様の検討を行った。結果:重症OSAS群では、低酸素ストレスにより、早朝起床時に単球からのTNF-αやMCP-1の産生能は亢進し、これらは動脈硬化病変の発症進展に関与することが示唆された。また、3ヶ月間のCPAP治療にて低酸素ストレスを解除することで、亢進したTNF-αやMCP-1の産生能は正常化した。 検討2:OSAS群22名、非OSAS群10名を対象とした。PSG施行後の早朝空腹時に採血し血清adiponectin (ADPN)をELISA法で測定した。また、CPAP治療のADPNに対する短期効果を検討した。結果:OSAS患者の血清ADPNはBMIをマッチさせた非OSAS群よりも有意に低値であった。短期間のCPAP治療においては、低ADPN血症の明らかな改善は認めなかった。 考察:OSAS患者における、動脈硬化の発症進展因子の解析から、OSAS患者では単球からのTNF-αやMCP-1の産生能は低酸素ストレスに呼応して亢進しており、さらに低ADPN血症を認めた。これらの所見は重症OSAS患者ほど明確であった。また、TNF-αやMCP-1の産生能亢進は、体重の変化によらず、3ヶ月間のCPAPにより改善した。これより、CPAP治療は単に睡眠時無呼吸を改善するにとどまらず、低酸素ストレスの軽減を介して抗動脈硬化作用をも有することが示唆された。
|