研究課題/領域番号 |
15590835
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
樋田 豊明 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学部, 研究員 (80250249)
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研究分担者 |
杉浦 孝彦 愛知県がんセンター(研究所), 研究所, 研究員 (50117826)
高橋 隆 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学部, 部長 (50231395)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 肺癌 / リポキシゲナーゼ阻害剤 / EGFR阻害剤 / COX2阻害剤 / 増殖抑制 / 併用効果 / 遺伝子変異 / 抗癌剤 / COX-2阻害剤 / EGFR / HER2 / HER3 / HER4 / K-ras変異 |
研究概要 |
本研究では、難治癌の代表である肺癌の治療成績向上を目指し、従来の化学療法剤とは機序を異にした新しいアプローチとして、アラキドン酸代謝のシグナル伝達経路の触媒酵素であるリポキシゲナーゼ(LOX)に対する選択的阻害剤の感受性及び従来の抗癌剤との併用効果について検討すると共に、最近臨床導入された上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤ゲフィチニブを用いた、より有効な肺癌治療法の開発を目的としてゲフィチニブ感受性を規定する因子について検討した。 全リポキシゲナーゼ阻害剤であるNDGAによる肺癌細胞に対する増殖抑制効果は、肺癌細胞の増殖を濃度依存的に抑制し、一方12-リポキシゲナーゼ特異的阻害剤baicaleinも濃度依存的に増殖を抑制し抑制機序としてアポトーシスの関与が示唆された。また、肺癌の治療薬剤であるSN-38、アムルビシン、ビノレルビン、シスプラチン、エトポシドとの併用で、効果増強作用が観察された。一方、EGFR遺伝子変異とEGFR受容体阻害剤ゲフィチニブの治療効果との関連性について非小細胞肺癌症例30例を用いて検討した結果、EGFR遺伝子のexon19の欠失変異が7例、exon21のミスセンス変異が5例認められ、ゲフィチニブ感受性はEGFR遺伝子変異の認められた12例中10例で奏効が認められたが、EGFR遺伝子変異の認められない18例では1例(腺癌では12例中1例)にのみ奏効が認められ、EGFR遺伝子変異とゲフィチニフ感受性との間に強い関連性が示唆された。 本研究より、肺癌に対してリポキシゲナーゼ阻害剤、EGFR阻害剤、COX2阻害剤を組み合わせ、また遺伝子変異情報も加味することにより、肺癌に対する有効な治療戦略が構築できるものと期待される。
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