研究課題/領域番号 |
15590851
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
杉山 斉 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (60325090)
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研究分担者 |
汪 達紘 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90294404)
前島 洋平 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10343287)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アカタラセミア / アカタラセミアマウス / カタラーゼ / 活性酸素 / 酸化ストレス / 上皮間葉系形質転移 / 腎間質線維化 / 5 / 6腎摘モデル / フリーラジカル / アポトーシス / 尿細管上皮細胞 / 腎間質線維症 / 腎臓内科学 |
研究概要 |
カタラーゼは細胞内の過酸化水素とヒドロキシルラジカルレベルを制御する重要な抗酸化酵素の一つである。現在まで腎線維化に及ぼすカタラーゼ欠損の影響については不明であった。 アカタラセミアマウス(C3H/AnLCs^bCs^b)及び野生型マウス(C3H/AnLCs^aCs^a)に5/6腎摘モデルを作成し、腎間質線維化、上皮間葉系形質転移およびその関連分子遺伝子発現、組織過酸化、腎内抗酸化酵素活性を経時的に18週まで検討した。 5/6腎摘により両マウスにアルブミン尿出現と腎機能低下、I型・IV型コラーゲン蓄積を伴う間質線維化が生じた。これらの変化は野生型に比較してアカタラセミアマウス疾患腎において著明であった。電顕観察でアカタラセミアマウス5/6腎摘群の尿細管上皮細胞において正常では存在しない胞体内アクチンフィラメントの増加を認め、上皮間葉系形質転移(epithelial mesenchymal transition)像と考えられた。これと関連してα平滑筋アクチン(αSMA)陽性の尿細管上皮細胞増加、αSMA/FSP-1/TGFβ/CTGF遺伝子発現増加がみられた。アカタラセミアマウス尿中の8-OHdG増加、尿細管間質の脂質過酸化物質(4-hydroxy-2-nonenal)沈着が認められ、酸化ストレス亢進を反映しているものと推察された。抗酸化酵素のうちカタラーゼ活性はアカタラセミアマウス腎において低下していたが、グルタチオンペルオキシダーゼ、SODなど他の抗酸化酵素発現に両マウス群間で差はみられなかった。Tempol投与は野生型マウス腎障害を改善したがアカタラセミアマウス(カタラーゼ欠損)腎では障害が逆に増強された。腎間質線維化の進展過程においてカタラーゼ欠損は組織障害を増強することが明らかとなり、酸化ストレスを介する腎線維化進展に対しカタラーゼが保護的に働くことが示唆された。
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