研究課題/領域番号 |
15590885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
宮嶋 裕明 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90221613)
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研究分担者 |
高橋 良知 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (90303560)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | セルロプラスミン / 鉄代謝 / 遺伝子変異 / loss-of-function / 小胞体ストレス / 遺伝子発現 / 神経細胞死 / フェロオキシダーゼ / 鉄 / 小胞体 / ヘテロ接合体 / ミスセンス変換 / 封入体 / 銅 / フェロオキシダーゼ活性 / 蛋白分解 |
研究概要 |
無セルロプラスミン血症は、鉄代謝異常による神経変性疾患として我々が初めて確立した疾患で、日本を中心として世界各地で48家系の報告がみられている。従来から知られている鉄過剰蓄積症である特発性ヘモクロマトーシスとは、中枢神経系に鉄が過剰に蓄積し、神経症状をきたす点が異なる。セルロプラスミン遺伝子異常症の報告は着実に増加しており、現在まで遺伝子異常が38同定されこのうち約80%は我々が同定した。 脳での鉄代謝の異常は、セルロプラスミン遺伝子異常症のみならず、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性症、プリオン病などで報告されているが詳細な機序は明らかにされていない。すでに我々は無セルロプラスミン血症で、過剰鉄によるラジカル産生が脂質過酸化の亢進やミトコンドリアのエネルギー産生障害を引き起こし、神経細胞死に関与していることを明らかにしてきた。しかし、セルロプラスミン異常蛋白の発現やその機能については十分検討を行っていない。脳の鉄代謝という側面から神経変性症の病態を解明するアプローチは特徴的で、神経細胞死のメカニズムの解明のための一助となりうると考えられる。セルロプラスミン遺伝子異常症には、常染色体劣性遺伝をとり不随意運動、失調、認知機能障害などを来す無セルロプラスミン血症と、セルロプラスミン遺伝子異常がヘテロ接合体で神経症状を来すセルロプラスミン欠乏症がある。 無セルロプラスミン血症は、セルロプラスミン蛋白のloss-of-functionにより、フェロオキシダーゼ活性が欠失するため脳に鉄が過剰蓄積し、症状が発現すると推定される。 一方、今回の研究では、今までに同定された異常遺伝子38のなかで、特に、GLI(IL)GPのアミノ酸繰り返し配列部位に相当するミスセンス変異では、若年発症で早期から認知機能障害を来し、神経症状が強くでる傾向があることを見出した。しかもヘテロ接合体で神経症状を来すセルロプラスミン欠乏症の多くはこのミスセンス変異をとっている。また、この変異を導入した培養細胞では、変異蛋白が小胞体に蓄積し、野生型に比べて高率に細胞死が誘発される傾向が認められた
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