研究課題
基盤研究(C)
目的:GFAP(glial fibrillary acidic protein)は主に星状膠細胞に発現している中間径フィラメントであり、近年、小児の疾患であるアレキサンダー病の原因遺伝子として注目されている。われわれは、成人型アレキサンダー病において新しいGFAP変異(Va187Gly)を見いだし報告した。今回、GFAP変異を伴うアレキサンダー病の遺伝子変異と臨床表現型の関連について検討した。対象:自験例4家系9例と文献報告例65例の計74例。発症年齢、臨床症状、脳画像所見、GFAP変異について検討した。また、今回の検討で見いだされた変異GFAP(T235C, T274G, C276T, C1260T)を導入した発現ベクターを培養細胞にトランスフェクションし、その発現を抗GFAP抗体にて組織学的に検討した。結果:乳児発症42例、若年発症13例、成人発症19例であった。成人発症2例には自覚症状はなかった。成人発症7家系中6家系に家族歴を認めた。口蓋ミオクローヌスは成人発症4例のみに認められた。乳児発症型で前頭葉優位の白質変化が、成人発症例では脊髄萎縮が高率であった。GFAP変異部位は、exon 1、4、8に集中していた。R416W変異はすべての病型で認められた。同一家系内に若年発症例と成人発症例の混在を認めた。ミトコンドリア異常を1例に認め、mtDNA8291A/G多型と9bp欠失を認めた。検討した範囲ではnestinに変異は認められなかった。変異GFAP発現細胞では、野生型に比してGFAPの発現が亢進していた。結論:同一のGFAP変異を示す家系内にでもアレキサンダー病の臨床表現型は多様であり、GFAP変異以外の修飾因子が臨床表現型に関与していることが示唆された。今後、変異GFAPの発現動態と臨床表現型との関連について更に検討する予定である。
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