研究課題/領域番号 |
15590955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
石田 均 杏林大学, 医学部, 教授 (80212893)
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研究分担者 |
永松 信哉 杏林大学, 医学部, 教授 (80231489)
片平 宏 杏林大学, 医学部, 助手 (20327472)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 膵β細胞 / インスリン分泌 / 酸化ストレス / PPARγ / 2型糖尿病 / db / dbマウス / インスリン抵抗性 / UCP-2 / グルカゴン分泌 / チアゾリジン誘導体 / グルタミン酸 / ATP感受性K^+チャネル / MIN6細胞 |
研究概要 |
2型糖尿病に認められるインスリン分泌不全に対するPPARγアゴニストのピオグリタゾンの効果とその機序について検討を加えた。肥満2型糖尿病のモデル動物であるdb/dbマウスに10週齢より6週にわたりピオグリタゾン(15mg/kg)を投与した。膵ラ氏島におけるインスリン含量ならびにグルコース刺激に対するインスリン分泌能について検討を加えるとともに、膵β細胞内での酸化ストレスの変化を測定する目的で、そのマーカーである4-hydroxy-2-nonenal(HNE)修飾蛋白ならびにheme oxygenase-1(HO-1)の抗体を用いて免疫染色し、そのdensityを定量化した。ピオグリタゾンによるdb/dbマウスの治療により、膵ラ氏島におけるインスリン含量の有意な回復とともに、グルコースに対するインスリン反応についても明らかな回復が認められた。また膵β細胞内の酸化ストレスマーカーに関しても、未治療のdb/dbマウスにおいて認められた膵β細胞でのHNE修飾蛋白ならびにHO-1の染色性を、ピオグリタゾン治療は有意に減少させた。以上によりPPARγアゴニストのピオグリタゾンはin vivoの系においてdb/dbマウスの膵β細胞機能に対し保護的な作用を有し、その機序として膵β細胞内で増大している酸化ストレスの軽減が考えられた。そこで次にピオグリタゾンの標的分子であるPPARγが及ぼす膵β細胞機能への直接的な効果を検討する目的で、アデノウイルスの発現系を用いてin vitroで膵ラ氏島にPPARγを過剰発現させたところ、グルコースに対するインスリン分泌反応は有意に抑制され、同時にuncoupling protein-2(UCP-2)の発現の増強が認められた。したがってピオグリタゾンによるin vivoでの膵β細胞機能の保護作用や酸化ストレスの軽減は膵β細胞に対する直接的な作用ではなく、むしろ他の臓器あるいは細胞への作用を介した間接的な機序に依るものである可能性が考えられた。
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