研究課題/領域番号 |
15590956
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 東京大学 (2004) 東京女子医科大学 (2003) |
研究代表者 |
後藤田 貴也 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授 (60322062)
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研究分担者 |
日下 貴子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20338974)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ビタミンE / 糖尿病 / 合併症 / 遺伝子 / 血管合併症 |
研究概要 |
本研究でわれわれは、ビタミンEおよびα-tocopherol転送蛋白質(α-TTP)と糖尿病およびその血管合併症との関連を調べた。正常対照群に比較して糖尿病患者群では、β-tocopherol濃度には差を認めなかったが、脂質値で補正後のα-tocopherol濃度およびγ-tocopherol濃度は有意な低下を示した(それぞれP=0.03およびP=0.004)。α-TTP遺伝子のイントロン4遺伝子多型のC-アリルとT-アリルの頻度はそれぞれ、正常群では0.76と0.24、糖尿病患者群では0.74と0.26であり差を認めなかったが、糖尿病患者群において遺伝子型がC/Cの者では、C/TおよびT/Tである者に比較して、γ-tocopherol濃度が有意な低下を示した(P=0.08)。さらに、ヒトα-TTP遺伝子の転写開始地点より335塩基5'上流地点に、アデニン(A)が9〜12回繰り返す多型[-335A(n)多型]を同定し、塩基配列決定法により確認した。24名の日本人を対象としてgenotypingを行った結果、-335A(n)多型のA(10)-アリルとA(11)-アリルの各対立遺伝子頻度はそれぞれ0.71と0.29であり、日本人一般集団中では、A(10)>A(11)>>A(9)、A(12)の順に対立遺伝子頻度が高いものと考えられた。イントロン4多型と-335A(n)多型の遺伝子型は、24人中22人で完全に一致しており、強い連鎖不平衡が認められた[T-アリルはA(11)-アリルと連鎖]。この-335A(n)多型はプロモーター領域に存在するため、代表的な2つの遺伝子型であるA(10)及びA(11)がα-TTP遺伝子のプロモーター転写活性に与える影響を、293細胞を用いた感染実験により検討した。その結果、A(11)に比べてA(10)の方が有意に(p<0.01)転写活性化が強いことが明らかとなった。また、糖尿病患者における検討で、A(11)-アリルと連鎖不平衡の関係にあるT-アリルは網膜症の存在と有意な相関を示した[OR=1.76(95%Cl:1.03-2.89)]。
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