研究課題/領域番号 |
15590962
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
加来 浩平 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10116709)
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研究分担者 |
松田 昌文 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00199811)
重藤 誠 川崎医科大学, 医学部, 助手 (60368628)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | db / dbマウス / 膵β細胞機能 / 膵ラ氏島遺伝子発現 / LCM法 / pioglitazone / 膵ラ氏島 / 糖・脂肪毒性 / 遺伝子発現プロファイリング / diazoxide / %膵ラ氏島面積 / β細胞比率 / アディポネクチン / 膵ラ島内中性脂肪含量 |
研究概要 |
本研究の目的は、膵β細胞機能保護作用がある薬剤の作用機序を膵ラ氏島レベルで詳細に検討することによって肥満2型糖尿病db/dbマウスの膵β細胞機能障害の機序並びに機能保護機構を解明することにある。すなわち肥満糖尿病発症に関連するdb遺伝子が膵β細胞機能に及ぼす分子機構を明らかにすることが本研究の最終的な目的である。そのためにまず抗糖尿病薬pioglitazoneによる長期介入試験と短期介入試験をおこなった。ついでdb/dbマウスの膵ラ氏島における選択的遺伝子発現解析をLaser Capture Microdisection(LCM)法とreal time RT-PCR法を用いて行った。その結果、db/dbマウスの膵ラ氏島組織は18週齢では繊維化が進み膵β細胞成分の明らかな減少を伴う著明な萎縮を認めたが、薬剤介入により組織学的変化は明らかに抑制されるとともに、単離膵ラ氏島のグルコース依存性インスリン分泌反応は改善をみた。また介入群では膵ラ氏島の中性脂肪の蓄積が抑えられていた。これらの成績からdb/dbマウスにみられる膵β細胞機能障害には糖・脂肪毒性が関与することが示唆された。 一方、膵ラ氏島に発現する遺伝子群をSybr Greenを用いたReal time RT-PCRにより比較解析した。db/dbでは増殖促進遺伝子発現は低下し、アポトーシス促進遺伝子発現が増加していた。db遺伝子ヘテロ接合体(db/+)マウスにおいて糖尿病発症を抑制する代償性機構が存在することが分子レベル及びインスリン分泌反応で明らかになった。ホモ接合体(db/db)における代償性機構の消失の分子メカニズムの解明はヒト2型糖尿病における膵β細胞機能不全の機構解明に結びつくものと考えられた。
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