研究概要 |
研究前半の『核レセプターLXRによるヒトレニン遺伝子発現制御に関する検討』においては, A.LXRはヒトレニン遺伝子プロモーター領域に結合できることを確認した. B.LXRはヒトレニン発現細胞(Calu-6細胞)においてヒトレニン遺伝子プロモーターを活性化させることを明らかにした. C.定常的LXR蛋白発現Calu-6細胞においてはヒトレニン遺伝子プロモーターCNREに対するLXR結合能が増加することを確認した. D.定常的LXR蛋白発現Calu-6細胞においてヒトレニン遺伝子の発現が増加することを明らかにした. E.部位特異的変異型LXRはdominant negative type LXRとして機能することを明らかにした. F.ヒト傍糸球体細胞(JG細胞)においても,定常的LXR蛋白発現Calu-6細胞においてみられたようなヒトレニン遺伝子プロモーターCNREに対するLXR結合能が認められることを確認した. 研究後半の『核レセプターLXRによるc-myc遺伝子発現制御に関する検討』においては, G.LXRはヒトc-myc遺伝子プロモーター領域(myc/CNRE)に結合できることを明らかにした. H.LXRは心筋細胞および血管平滑筋細胞においてヒトc-myc遺伝子プロモーターを活性化,cAMP刺激およびLXRのリガンドである酸化コレステロール(22R-hydroxycholesterolなど)刺激により,ヒトc-myc遺伝子プロモーターの転写活性が亢進することを明らかにした. I.ヒトc-mycおよびレニン遺伝子の発現が増加するか?:アデノウイルスベクターを用いてLXR蛋白高発現心筋細胞および血管平滑筋細胞を作製し,cAMP刺激およびLXRのリガンドである酸化コレステロール(22R-hydroxycholesterolなど)刺激により,Northern blot, RT-PCR, Western blot解析を用いて,ヒトc-mycおよびレニン遺伝子mRNA,蛋白発現量が増加することを明らかにした. J.LXR蛋白高発現心筋細胞および血管平滑筋細胞において,cAMP刺激およびLXRのリガンドである酸化コレステロール(22R-hydroxycholesterolなど)刺激により,アミノ酸取り込み,および,thymidine取り込みを用いて,蛋白・DNA合成が増加することを明らかにした. 以上の一連の研究成果について,第26回日本高血圧学会総会(宮崎),第8回日本心血管内分泌代謝学会(宮崎),第37回米国腎臓学会(ASN, St.Louis)において発表し,その一部を英文誌(Mol Cell Endocrinol, 2004)に発表し,その他の結果を現在英文誌投稿中である.
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