研究課題/領域番号 |
15591000
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小嶋 哲人 名古屋大学, 医学部, 教授 (40161913)
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研究分担者 |
松下 正 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30314008)
高木 明 名古屋大学, 医学部, 助手 (30135371)
山本 晃士 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (90362251)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ストレス / 血栓性疾患 / 拘束ストレス負荷 / PAI-1 / TF(組織因子) / 加齢(老齢) / 肥満 / TF(組織因子)発現 / 老齢 / 抗TNF-α抗体 / 加齢 / in situ hybridization法 / 血栓傾向 / マウス / competitive RT-PCR法 |
研究概要 |
近年、種々の肉体的・精神的ストレスが誘因となって起こる血栓性疾患(脳梗塞、心筋梗塞など)は増加の一途をたどり、特に高齢者における罹患率の上昇は大きな問題である。我々はストレス負荷個体における血栓形成メカニズムの解明を目的に、拘束ストレス負荷マウス組織での微小血栓形成と線溶阻害因子・PAI-1ならびに外因系凝固開始分子・TF(組織因子)の発現変化について解析した。また、若年マウスと老齢マウスを用いて、ストレス誘発性の血栓傾向に及ぼす加齢や肥満の影響についても検討した。 50mlチューブ内で一定時間拘束するストレスをマウス(C57BL/6Jオス)に負荷すると、血中PAI-1抗原量が著明に上昇し、肝臓、副腎、脂肪組織でPAI-1 mRNAならびにTF mRNA発現量の有意な増加を認めた。これらは、12ヶ月齢および24ヶ月齢の老齢マウスでより顕著であった。in situ hybridization法による局在解析でも、拘束ストレス後に腎尿細管上皮細胞、肝実質細胞、副腎髄質内のクロム親和性細胞、血管平滑筋細胞、脂肪細胞、傍大動脈交感神経節細胞にPAI-1 mRNAの著しい発現増強を認め、腎尿細管上皮細胞、小腸絨毛内の平滑筋細胞、血管平滑筋および外膜細胞、脂肪細胞にTF mRNAの発現増強を認めた。また、20時間の拘束ストレスを負荷した老齢マウスでは腎糸球体内や脂肪組織における微小血管内に血栓の沈着を認めたが、若年マウスではいずれの組織においても微小血栓沈着を認めなかった。 すなわち、拘束ストレス負荷によってin vivoでのPAI-1発現およびTF発現は組織特異的、加齢依存的に著明に増大し、これらの変化が全身的な血栓傾向にも関与していると推測された。老齢個体や肥満個体では、主として腎臓や脂肪組織でのPAI-1発現増加ならびにTF発現増加が、組織内微小血管における血栓形成の原因となっていると考えられた。
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