研究課題/領域番号 |
15591004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
門脇 則光 京都大学, 医学研究科, 講師 (60324620)
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研究分担者 |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 教授 (30130040)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 樹状細胞 / 免疫療法 / リポソーム / 非ウイルスベクター / 遺伝子導入 |
研究概要 |
リポソームは癌免疫療法において樹状細胞(DC)に外来性の抗原を取り込ませる際のデリバリーシステムとして有望である。外来性の抗原をDCに取り込ませる際に、DC上のFcγレセプターを介して取り込ませるとMHCクラスI、クラスII分子の双方に効率よくペプチドが提示されることが示されている。そこで今回われわれは、IgGを結合させ、物理化学的性状を最適化した抗原封入リポソームがDCに貪食されると、抗原由来のペプチドがMHCクラスI、クラスII分子の双方に効率よく提示されるか、そして強い抗腫瘍免疫反応を誘導するかどうかを検討した。表面にポリエチレングリコールを結合しない200nm径のIgG結合リポソームが最も効率よくDCに貪食された。ヒト単球由来のDCが破傷風トキソイド(TT)を封入したIgG結合リポソームをCD32(FcγreceptorII)を介して貪食すると、IgGを結合していないTT封入リポソームまたはTTそのものを貪食した場合に比べて、TT特異的CD4陽性T細胞を強力に活性化した。また、卵白アルブミン(OVA)を封入したIgG結合リポソームをマウスDCに貪食させて皮下投与してから、OVAをモデル抗原として発現するリンパ腫細胞株E.G7-OVAを皮下接種すると、IgGを結合していないOVA封入リポソームまたはOVAそのものを貪食したDCを投与した場合に比べて、腫瘍の増殖を強力に抑制した。さらに重要なことに、あらかじめE.G7-OVAを接種したマウスにDCを投与する治療モデルでも、OVAを封入したIgG結合リポソームをDCに貪食させた場合に最も強力に腫瘍の増殖を抑制した。この研究成果は、DCに抗原を取り込ませる際に最適な物理化学的性状をもったリポソームを明らかにし、抗原をリポソームに封入してDCに貪食させ癌免疫療法に応用する道を開くものである。
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