研究課題/領域番号 |
15591021
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
窓岩 清治 自治医科大学, 医学部, 講師 (70296119)
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研究分担者 |
小林 英司 自治医科大学, 医学部, 教授 (00245044)
坂田 洋一 自治医科大学, 医学部, 教授 (40129028)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 血友病A / 新生児 / 第VIII因子欠損マウス / 免疫寛容 / 遺伝子治療 / ウイルスベクター |
研究概要 |
出生後早期に血液凝固第VIII因子を投与することにより特異的かつ永続的な免疫寛容が誘導される可能性について、血液凝固第VIII因子欠損新生仔マウスを用いて検討した。その結果、(1)生後24時間以内の新生仔マウスに対して、全身麻酔下で実体顕微鏡を用い頸静脈内にヒト第VIII因子を安全かつ確実に投与する手法を確立した。(2)0.05単位/g体重のヒト第VIII因子を出生後24時間以内に投与した場合に免疫寛容が成立するが、投与量を増加させた場合や初回投与時期を遅らせた場合にはいずれも高力価のインビヒターが生じることから、免疫寛容を成立させるための至適な抗原量、投与時期が存在することを明らかにした。(3)本寛容マウスモデルに対してヒト第VIII因子以外の異種抗原感作を行うと、暴露抗原に対する抗体が速やかに生じることから、免疫寛容はヒト第VIII因子特異的であると考えられた。(4)免疫寛容を誘導したマウスのリンパ球は、ヒト第VIII因子刺激によりIL-2産生がみられるものの、IL-4、IL-10、IFN-γの産生がなく増殖能も有さないが、IL-12の添加により増殖能ととともにIFN-γの産生能が回復したことから、成立した免疫寛容がIFN-γ依存性T細胞性アネルギーよることを明らかにした。(5)本寛容マウスモデルに対して、humanα1-antitrypsinプロモーター下流にB領域欠損ヒト第VIII因子cDNAを搭載したアデノ随伴ウイルスベクター(AAV8)を1×10^<12>gc/bodyで投与すると、1-2%の第VIII因子が持続産生された。これらの結果は、本免疫寛容誘導療法と遺伝子治療法との組み合わせによりインヒビター産生を回避しながら第VIII因子が持続的かつ安定発現される可能性を示唆するものである。本研究の成果は、将来の遺伝子治療の臨床応用に向けた基盤となるものと考えられる。
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