研究課題/領域番号 |
15591040
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究部) |
研究代表者 |
岡村 純 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究部), 臨床研究部長 (40360854)
|
研究分担者 |
服部 浩佳 産業医科大学医学部, 分子生物, 日本学術振興会特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 細胞表面抗原 / 白血病 / CD7 / 予後因子 / 遺伝子発現調節機構 |
研究概要 |
1.背景と目的 リンパ球表面抗原のひとつであるCD7分子は、一部の骨髄性白血病およびMDSにも発現し、予後因子として注目されているが、その発現調節機構については明らかではない。急性骨髄性白血病細胞においてCD7分子がどのような発現調節を受けているか、その分子機序を明らかにすることを目的とした。 2.方法 遺伝学的背景が同一であるCD7陽性ヒトAML株化培養細胞(KG-1a)とその親株であるCD7陰性株化培養細胞(KG-1)を用いて、FISH、染色体分染法、PCR-direct sequencingにより構造遺伝子の解析を行った。リアルタイムPCRを用いて、mRNAレベルでの発現解析を行った。タンパク質レベルでの発現解析にはフローサイトメトリーを用いた。また、cDNA Microarrayを用いたKG-1a細胞とKG-1細胞における遺伝子発現プロファイルの比較も行った。 3.結果 染色体分染法ではKG-1a細胞、KG-1細胞共にCD7遺伝子領域(17q25.2-25.3)の構造異常は認められず、PCR-direct sequencingによっても塩基配列レベルの構造異常は見られなかった。リアルタイムPCRによる解析では、KG-1a細胞はKG-1細胞の約260倍のコピー数のCD7mRNAを発現していることがわかった。フローサイトメトリーによる解析では、細胞表面および細胞内ともに、CD7の発現はKG-1aにのみ認められた。cDNA microarray解析では、KG-1aで発現が上昇しているものとして、NCAMI, selectinL等の接着因子やMHC class Iをコードするものが見出され、逆に発現が低下している遺伝子として、MHC class II, CD74, IGFBP-2等を構成する遺伝子群が見出された。 4.考察および今後の展開 これらの観察結果から、CD7分子の主たる発現調節段階はmRNAレベルにあると推測される。今後、転写頻度やmRNA安定性などについて、解析を進めていくとともに、cDNA microarray解析の結果を考慮し、発現変化のみられた遺伝子群とCD7遺伝子発現調節の変化との関連についても検討を加えていきたい。
|