研究課題/領域番号 |
15591063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
吉尾 卓 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20221666)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | NR2 glutamate receptor / 抗NMDAR2抗体 / 抗ds-DNA抗体 / 全身性エリテマトーデス / CNSループス / 抗リボゾームP蛋白抗体 / 血管内皮細胞活性化 / N-methyl-D-asparateレセプター / SLE / NPSLE |
研究概要 |
SLE80例の髄液・血清中の抗NMDAR2抗体価を測定し、SLEに伴う中枢神経障害(NPSLE)との関連性を検討した。NPSLE群血清抗NMDAR2抗体価は非NPSLE群に比べてわずかに高値を示した。精神症状群、局所症状群、複合型[精神症状と局所症状の両方がほぼ同時期に出現した場合])、非NPSLE群の4群間では特に有意差を認めなかった。髄液抗NMDAR2抗体価の検討ではNPSLE群が非NPSLE群に比べて、有意に高値を示し、4群間の検討では複合型が他の3群に比べて有意に高値を示した。局所症状群は非NPSLE群に比べて、有意に高値を示した。精神症状群では非NPSLE群に比べて有意差を認めなかった。髄液抗MDAR2抗体価は血清抗NMDAR2抗体価あるいは髄液抗リボゾームP蛋白抗体価と各々有意な正の相関を示した。髄液中の抗NMDAR2抗体がNPSLE、特に精神症状以外の局所症状を呈したNPSLEの発症・進展に関与している可能性が示唆された。 次に抗NMDAR2抗体によるdsDNAへの結合、血管内皮細胞(EC)活性化を検討した。抗NMDAR2抗体価高値のSLE症例血清よりIgG抗NMDAR2抗体を精製した。精製IgG抗NMDAR2抗体は合成ペプチド(DWEYSVWLSN)、dsDNAにIgG濃度依存性に結合した。SLE14症例精製IgG抗NMDAR2抗体は陰性コントロールとしての5人の正常人由来精製IgGに比較して有意にヒト臍帯静脈由来ECに結合し、接着分子発現及びIL-6・IL-8産生を有意に増強した。血中の抗NMDAR2抗体は抗DNA抗体の一部を成し、中枢神経系血管EC表面に結合し、EC活性化を誘導し、それが血液脳関門の破綻に伴う自己抗体の血中から髄腔内への移行促進や髄腔内での自己抗体産生促進に繋がり、NPSLEの発症・進展を促進している可能性が示唆された。
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