研究課題
基盤研究(C)
成長ホルモンのLife Spanに及ぼす影響の分子機構を解明するため、寿命の延長を呈する成長ホルモン受容体欠損マウス(Ghr-/-マウス)と成長ホルモン受容体欠損でフォークヘッド転写因子Foxo1ヘテロ欠損マウス(Ghr-/-Foxo1+/-マウス)を比較することにより成長ホルモン作用の欠如における延命効果において、Foxo1がその下流にあるかどうか解析することを試みた。まず、本マウスの基本的な性状を確認する目的で成長と糖代謝について検討した。成長について解析するため体重を比較したところGhr-/-マウスに対してGhr-/-Foxo1+/-マウスは、有意な体重増加を示し、成長ホルモン欠損マウスのインスリン様成長因子低下に伴う成長障害にFoxo1が関与している可能性を示唆した。次に糖代謝を比較した。絶食時の血糖値を経時的(2,4,6か月齢)に測定したところ雄ではGhr-/-マウスに対してGhr-/-Foxo1+/-マウスは、2か月齢において若干ではあるが有意に低い値を示し、他の月齢においても平均値は若干低かったが、雌においてはほぼ同等の値を示した。また、6ヵ月齢での摂食時の血糖値は、Ghr-/-マウス、Ghr-/-Foxo1+/-マウス間には雌雄ともに違いが見られなかった。しかし、血漿インスリン濃度は、雄ではGhr-/-Foxo1+/-マウスの方が有意に低くインスリン感受性が亢進していたが、雌ではほぼ同等の値を示した。この結果は、Foxo1のヘテロ欠損がおよぼすインスリン感受性亢進作用に雌雄差があることを示した。今回の研究で確認された、Ghr-/-とGhr-/-Foxo1+/-マウスとの違い(体重増加と雄におけるインスリン感受性の亢進)が加齢によりどうなるのか、または、寿命に及ぼす影響については、マウスの寿命が数年と長いため、今後の検討課題である。
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