研究課題/領域番号 |
15591084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 茨城県立医療大学 (2004) 筑波大学 (2003) |
研究代表者 |
岩崎 信明 茨城県立医療大学, 付属病院, 准教授 (70251006)
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研究分担者 |
松村 明 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (90241819)
本間 一弘 産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部・医用計測グループ, グループリーダー (80357970)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 髄鞘形成 / dysmyelination / ミエリン塩基性蛋白 / MBP / 18q-症候群 / MRI / shivererマウス / 磁気共鳴画像法 / ミュータントマウス |
研究概要 |
動物用MRI機器を用いてマウスの脳のMR画像の撮像技術を開発した。T1強調画像、T2強調画像、T1マップ、T2マップを作成し、ミュータントマウスであるにshiverer mouseに応用した。wild type(+/+)とheterozygous mutant(MBP^<shi>/+)では脳梁とその両側の外側に広がる脳梁放線は低信号に描出され、基底核部もやや低信号になっていた。shiverer mutant(MBP^<shi>/MBP^<shi>)では髄鞘形成部位と皮質部位の信号強度に明らかな差異は見られなかった。 病理学的検索ではKluver-Barrera(KB)染色、抗myelin basic protein(MBP)抗体、抗proteolipid protein(PLP)抗体による免疫染色、電子顕微鏡標本を用いておこない、wild-typeとheterozygous mutantの間に差異は認められなかった。以上から、MBP遺伝子異常を1本有するheterozygous mutantは同様にMBP遺伝子の1コピーに欠失を認めるヒトの18q-症候群と相同のモデルではないことが見出された。 MBP遺伝子を環状18番染色体について病理学的検索をおこなった。大脳半球白質はKB染色、抗MBPならびに抗PLP抗体免疫染色で白質が明瞭に染色された。電子顕微鏡所見でも十分に圧縮された髄鞘を有する神経線維が集簇していた。これまで、18q-症候群でみられる頭部MRI白質信号異常の成因は、MBP蛋白発現量の減少に伴うdysmyelinationによると推測されてきたが、病理学的検討からは否定的であった。 本研究によって、ミュータントマウスの動物用MRI機器を用いた解析が疾患の病態生理学的解明に有用であること、MRIの画像評価において、背景となる病理学的異常を確定することが重要であることを示すことできた。
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