研究課題/領域番号 |
15591096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
合井 久美子 山梨大学, 医学部附属病院, 助手 (70324192)
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研究分担者 |
杉田 完爾 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (60138055)
犬飼 岳史 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (30293450)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 急性リンパ性白血病 / ヒストン脱アセチル化阻害剤 / アポトーシス / 細胞周期停止 / B前駆型リンパ性白血病 / 脱メチル化剤 / 分化誘導 / HDAC inhibitor / apoptosis |
研究概要 |
ヒストン脱アセチル化阻害剤(Histone deacetylase inhibitor : HDAC inhibitor)は、ヒストンアセチル化を促進し、様々な腫瘍細胞に対し細胞増殖抑制、細胞死を来たす。しかし、小児難治性白血病である11q23転座型やPhiladelphia染色体(Ph1)型B前駆型リンパ性白血病に対する報告はほとんどみられていないため本解析を施行した。 (1)HDAC inhibitorであるtrichostatin A(TSA)およびsodium butyrateは急性リンパ性白血病(ALL)細胞株にapoptosis、細胞周期停止を誘導した。細胞周期停止はpre-B型でGo/G1 arrest, T細胞型でG2/M arrestであった。また、11q23転座型ALL細胞株にTSA投与後にCD11b、CD14の発現を解析したところ、脱メチル化剤である5'-Azaの供添加によりCD11b発現が増大した。ヒストン脱アセチル化阻害剤と脱メチル化剤の併用が11q23転座型細胞株で骨髄単球系への分化誘導をおこす可能性が示された。 (2)HDAC inhibitorによるapoptosisの機構に関しては、TSA投与後Caspase-9、-3の断片化、Bakの発現増加、Bcl-xの発現低下がみられたことからミトコンドリアを介する経路が主たるものであると考えられた。 (3)細胞周期に関してはTSA投与後にpre-B細胞型ではp21の発現増加、特に11q23型に関してはCDK4の発現低下が認められ、一方T細胞型では、CyclinBの発現低下とp21の発現増加が認められた。pre-B型、T細胞型ともにc-mycの発現低下がTSA投与後に著明に観察されたことから、c-mycも細胞死、細胞周期停止どちらにも関与していると考えられた。
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