研究課題/領域番号 |
15591115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 佐賀大学 (2004) 佐賀大学(医学部) (2003) |
研究代表者 |
藤田 一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (60228989)
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研究分担者 |
石井 榮一 佐賀大学, 助教授 (20176126)
中畑 龍俊 京都大学, 医学研究科, 教授 (20110744)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 臍帯血管内皮細胞 / 造血幹細胞 / 共培養系 / 螢光免疫細胞化学 / 炎症関連蛋白 / 酸化LDL / INF-γ / 増殖・分化 / 間質細胞 / 体外増幅 / サイトカイン |
研究概要 |
1.臍帯血管内皮細胞と臍帯血造血幹細胞の共細胞の有用性についての検討 メンブレンフィルターの上面と下面を用いた内皮細胞と造血幹細胞の共培養を行った。造血幹細胞はこの系においても通常の培養と同様の分化・増殖を示した。この結果より血管内皮細胞と造血幹細胞の共培養は、間質細胞と造血幹細胞の共培養と同等の有効性があると考えられた。この共培養系は造血幹細胞にとってより生体内環境に近いが、内皮細胞の機能を維持して長期にメンブレンフィルターの下面に留めてメンブレンフィルターを介して造血幹細胞と接触を長期に維持できる方法の確立が今後の検討課題である。 2.U937単球様細胞に対するインターフェロン-γ(IFN-γ)の炎症関連蛋白及びスカベンジャー受容体の発現刺激についての検討 我々は、単球様細胞株であるU937を用いてIFN-γの催炎症作用を検討した。具体的には継代培養してきたU937にIFN-γを投与して24時間後に炎症との関連が示されている蛋白(MCP-1、COX-2、iNOS、Ferritin、CRP, AngiotensinII receptor-1(AT1R)、Scavenger receptor type A(SRA)、Oxidized LDL receptor-1(LOX-1))について蛍光免疫染色を用いて検討した。IFN-γ刺激24時間後の検討では、何れの蛋白も正常コントロールに比べて150%強発現が増強した。この作用について他の炎症性サイトカインの代表としてTNF-αと比較した。TNF-αはMCP-1、COX-2、iNosの発現増加を誘導したがそれ以外の蛋白の発現は誘導せず、IFN-γの多岐にわたる単球への作用が明らかになった。更に、蛍光色素標識した酸化LDLを用いて、U937細胞における酸化LDLの取り込みの変化についても検討した。IFN-γの刺激により一部の細胞ではLDLは細胞内に取り込まれて核を取り囲むように分布している像がみられた。この形態は泡沫細胞に類似しており、IFN-γが脂質の受容体の発現を増強すると共に脂質取り込みも促進する作用を有しているものと思われた。以上今回の研究よりIFN-γが強い単球活性化作用を有し、細胞の脂質取り込みの促進作用も有することが明らかなった。これは、生体で単球・マクロファージが活性化される病態(血球貧食症候群・Macrophage activating syndrome・動脈硬化等)でIFN-γが重要な役割を果たしていることを示唆するものである。
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