研究課題/領域番号 |
15591123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
森本 哲 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (30326227)
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研究分担者 |
上田 育代 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (00381939)
今宿 晋作 京都市衛生公害研究所, 所長
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Adenovirus infection / Hematopoietic stem cell transplantation / Polymerase chain reaction / Real-time PCR / Hemorrhagic cystitis / Pneumonitis / Hematopoietic Stem cell transplantation / Hematopietic Stem cell transplantation / Rcal-time PCR |
研究概要 |
非血縁者間骨髄移植(UBMT)後、出血性膀胱炎から腎不全・多臓器不全で亡くなった症例を経験した。この例の血液・尿を用い、後方視的にReal-time PCRによりアデノウイルス(AdV) DNAを定量したところ、尿中AdV DNA増加ののち血中AdV DNAの増加がみられ、病勢とAdV DNA量が相関していた。この例は重度の急性GVHDを伴っており、それに対するステロイドパルス療法がAdV感染増悪の誘引と考えられた。また、多臓器不全、特に閉塞性肝障害を伴ったが、GVHDによる肝障害との鑑別は臨床上困難であった。 呼吸不全を伴う重症肺炎に合併した血球貧食症候群の患者を経験した。血清抗体価では病原体を確定できなかったが、肺生検組織を用いたAdV DNA定量により、AdV肺炎と確定し得た。 7人の造血幹細胞移植患者の血中・尿中のAdV DNA量を後方視的に経時的に定量した。AdV DNA定量により、このうち3人を播種性AdV感染症と確定診断し得た。これらの患者はいずれも、移植後1-2週で尿中AdV DNAが陽性となり、4-6週で血中ウイルス量10^5コピー/ml以上となった。移植前に血中AdV DNAを定量できた5人の患者のうち2人が10^3コピー/ml以上を示したが、この2人はいずれもその後播種性感染を引き起こした。 UBMTを受けた患者が重度の下痢と発熱をきたした。便のAdV迅速検査では抗原陽性にでたが、従来用いていたPCR並びに定量PCRのプライマーではAdV DNAを検出できなかった。AdV7型特異的プライマーを用いたPCRでは陽性であり、PCR産物のDNA配列がAdV hexon/fiber遺伝子に近似したことよりAdV感染と確定した。これにより検出されたAdVは9箇所の塩基置換が生じており、このため従来のプライマーでは検出できなかったと考えられた。 以上より、尿中と血中のAdV DNA定量は播種性AdV感染症の早期診断に有用であり、移植前に血中AdV陽性例や、移植後尿中AdVが陽性となった例は播種性AdV感染症の高危険群である。また、血液・尿以外でも組織を用いた定量PCRで、AdV肺炎などの確定診断が可能である。しかし、AdVは変異を生じることが多く、AdV感染症であってもPCRによってAdVを検出できないこともあり、PCR診断には注意を要する。
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