研究課題/領域番号 |
15591171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
佐藤 伸一 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20215792)
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研究分担者 |
竹原 和彦 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50142253)
長谷川 稔 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (50283130)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アルサス反応 / 免疫複合体 / 細胞接着分子 / E-セレクチン / P-セレクチン / L-セレクチン / ICAM-1 / 血管炎 / ノックアウトマウス / 肥満細胞 / 好中球 |
研究概要 |
血管炎は、免疫複合体の血管壁への沈着によってしばしば惹起される。この免疫複合体病の動物モデルとしては、アルサス反応が広く用いられている。アルサス反応の誘発には好中球や肥満細胞の浸潤が必須であるが、これら炎症細胞の局所への浸潤は複数の細胞接着分子によって制御されている。どの細胞接着分子を抑制すれば、どの程度の治療効果が期待できるかを予想するためには、個々の細胞接着分子の相対的な関与を系統的に検討する必要がある。今回の解析では、E-selectin-/- P-selectin-/-、L-selectin/ICAM-1-/-マウスに抗P-、E-selectin抗体を組み合わせて、皮膚アルサス反応の抑制程度を検討した。野生型マウスに比べ、P-selectin-/-マウスでは浮腫と紫斑は有意に抑制されたが、E-selectin-/-マウスでは抑制されなかった。E-selectin-/-マウスでさらにP-selectinを抑制すると、P-selectin-/-マウスだけでなくL-selectin/ICAM-1-/-マウスと比較しても有意な抑制が認められた。L-selectin/ICAM-1-/-マウスでE-、P-selectin両方を抑制すると浮腫と紫斑は完全に抑制された。これらの炎症反応の抑制は、好中球や肥満細胞浸潤の減少とも相関していた。同様の好中球や肥満細胞の浸潤減少は腹腔内のアルサス反応でも認められ、TNF-αやIL-6産生減少と相関していた。以上より、E-、P-selectinはアルサス反応の惹起において主要な役割を担っており、さらにすべてのselectin分子とICAM-1を抑制することによって、アルサス反応は100%抑制されることが明らかとなった。これらの結果は血管炎に対してこれら細胞接着分子を抑制する治療を行う上で、重要な基礎的情報となりうると考えられる。
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