研究課題
基盤研究(C)
平成15年度の研究により、以下のことが明らかとなった。1)ヘイリーヘイリー病(HHD)遺伝子(ATP2C1)のプロモーター領域、non cording領域から-1200bpまでの遺伝子多型の有無につき検討したところ、6ヶ所の遺伝子多型を同定し得た。この多型と疾患の発症との関連につき検討を行ったが、関連は見られなかった。2)同部位を種々のフラグメントにクローニングし、レポーターアッセイを行ったところ、+22〜+60の部位に転写活性化配列が同定された。さらにゲルシフトアッセイなど行ったところ、同部に結合する転写因子として、YY-1とSP-1が同定された。以上の結論として、(1)YY-1とSP-1によりヘイリーヘイリー病遺伝子の転写活性が制御されていること、(2)これら転写因子の発現調整により、同疾患のコントロールが可能であること、などが示唆された。平成16年度の研究では、1)ATP2C1プロモーターとYY-1あるいはSP-1を同時に遺伝子導入すると、ATP2C1プロモーター活性が上昇することが明らかとなった。2)ATP2C1の転写因子であるSP-1自体も細胞内カルシウムの上昇により発現が亢進することが明らかとなった。3)HHD細胞では、細胞内カルシウム濃度が恒常的に上昇しており、細胞外カルシウムを低から高にスイッチしても細胞内カルシウム濃度は上昇せず、従ってSP-1の発現上昇とATP2C1プロモーター活性上昇が惹起されないことが明らかとなった。これらのことは、(1)カルシウム濃度の調整によるHHD治療は困難であること、(2)ステロイドのHHD対する作用機序は、カルシウム代謝とは異なる経路を持つことを示唆するものである。
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