研究概要 |
【目的】複数存在すると考えられている尋常性乾癬の疾患感受性遺伝子すべてを同定する 【対象】多施設から集めた尋常性乾癬患者群375例および健康対照群375例の血液由来のDNA 【方法】マイクロサテライトマーカーを用いてゲノムワイドに遺伝的相関解析を行う 【結果】平成16年までに多施設からサンプリングした尋常性乾癬患者437例のうち375例と性別・発症年齢をマッチングさせた健康対照群をそれぞれ3群(各125例)に分けて,3回のスクリーニングを行った。全染色体にわたって,東海大学医学部分子生命科学が設定した26,061個のマイクロサテライトマーカーについて1次スクリーニングを行い,2,065個のマーカーに有意な相関が認められた。これら2,065個のマーカーについて2次スクリーニングを行い,495個に有意な相関が認められた。さらに,これら495個のマーカーについて3次スクリーニングを行い,158個に有意な相関が認められた。この158個の中には多くの偽陽性が含まれているため,1〜3次の各集団を対象として,再度,遺伝的相関解析を行い,最終的に有意な相関が認められたマーカーを40個に絞り込んだ。 【まとめ】乾癬の疾患感受性遺伝子は複数個存在すると考えられているが、多くとも40個以内であると言える。現在,これらのマーカーが位置する領域について,SNPsをマーカーとして更なる絞り込みを行っている。今後は発現遺伝子解析を行い,疾患感受性遺伝子と同定していく予定である。
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