研究課題/領域番号 |
15591210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
川勝 忍 山形大学, 医学部, 助教授 (00211178)
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研究分担者 |
林 博史 山形大学, 医学部, 講師 (00333956)
駒谷 照夫 (駒谷 昭夫) 山形大学, 医学部, 講師 (10107188)
安達 真人 山形大学, 医学部, 助教授 (80212520)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | MRI / 海馬 / SPECT / アルツハイマー型痴呆 / 前頭側頭型痴呆 / ピック病 / アポリポ蛋白E / 意味痴呆 / 前頭側頭型認知症 / アルツハイマー型認知症 / 拡散強調画像 |
研究概要 |
前頭側頭型認知症(FTD)およびアルツハイマー型認知症(AD)を対照として、以下の検討を行った。MRIでは、1)マルチショット拡散強調画像(MS-DWI)による海馬の内部構造の画像化を行い、海馬支脚などの幅を測定して比較した。その結果、ADよりもFTDの方が海馬の萎縮は強かった。とくに、意味認知症(SD)では最も高度であった。もう一つのMRIによる検討として、VSRAD(Voxe1-based Specific Regional analysis system for AD)を用いた大脳灰白質容積の定量を行い、海馬傍回の内嗅領野の灰白質容積の低下の程度を指標化して比較した。ここでも、ピック型、SDともにADより萎縮の程度は強く、とくにSDで著明であった。 脳血流SPECTでは、Tc-99m-ECDと統計画像Easy z score imaging system(eZIS)による脳表および断層像の機能解剖について検討した。ピック型では前頭葉と側頭葉前部の血流低、SDでは側頭葉前部の血流低下が明瞭に描出され、簡便にADとの鑑別ができた。しかし、SDの一部の例では、ADの特徴である側頭葉後部から頭頂葉に血流低下部位が及んでおり、かつ後部帯状回の低下がみられる例があった。しかし、これらの例でも側頭葉前部が主病変であることにはかわりはなかった。 ApoE多型では、E4を有する割合は、対照13%に対して、AD43%と有意に高く、とくに晩期発症型で59%と高率だが、早期発症型では中等度の頻度であった。一方、FTDでは38%とやや高頻度であり、ピック型では頻度が高くないが、症例数は少ないがSDでは60%と晩期発症型ADに匹敵する頻度であった。 画像診断との関係で考えると、晩期発症型ADとSDはともに海馬、側頭葉を中心とした萎縮があることから、E4は、FTD、AD双方で、海馬の変性あるいは脆弱性と関係している可能性がある。
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