研究課題/領域番号 |
15591211
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
綱島 浩一 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (30197743)
|
研究分担者 |
渡辺 慶一郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10323586)
幸田 和久 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (40334388)
神出 誠一郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30376454)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 海馬 / ストレス / ビスフェノールA / エストロゲン受容体 / 母仔分離ストレス / トランスサイレチン / 脈絡叢 / 母仔分離モデル / ラット |
研究概要 |
本年度は昨年度の研究結果を踏まえて、1)ビスフェノールA(BPA)の胎児期および授乳期投与におけるストレス感受性への影響、2)母仔分離ストレスがその後のストレス感受性に影響する機序、に関しての実験を行った。1)について、本年度はエストロゲン受容体のアンタゴニストであるICI182780を出生後から3週齢まで投与し、成体後の行動学的・組織学的変化を調べた。その結果、昨年度報告したBPA投与群で見られたオープンフィールド試験での雄ラットの行動量の増加はICI182780により対照とほぼ同レベルに戻ることが明らかになった。またBPA投与群では対照と比較して、生後7日でエストロゲン受容体mRNAが一旦減少し、11日で増加した後に対照レベルになるが、BPA+ICI182780投与群はこれらの変化が消失していた。以上から、周産期BPA投与による成体後の不安行動の変化は出生後約2週間に生じるエストロゲン受容体の発現の変化と関連する可能性がある。さらにBPA投与によるストレス感受性への影響を明らかにするため、BPA投与モデルに7週齢で拘束ストレスを施行し、血清コルチコステロン(CORT)濃度を経時的に測定したところ、雌ラットにおいて拘束ストレス12時間後のCORT濃度が対照と比較して有意に高値であった。2)について、出生二日後から1日おきに5回、1回8時間の分離を行った母仔分離モデルを用いて、昨年報告したトランスサイレチン以外の物質についても定量RT-PCRで検討したところ、ACE・IGF2といった物質の有意な発現低下が明らかになった。その後の検討から両者ともに脈絡叢で主に発現する物質であることがわかり、トランスサイレチンも脈絡叢関連物質であったことを考えると、母仔分離ストレスが海馬だけでなく何らかの機序で脈絡層の機能を低下させていることが示唆された。
|