研究課題/領域番号 |
15591221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
工藤 喬 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (10273632)
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研究分担者 |
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
田中 稔久 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10294068)
紙野 晃人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40307955)
大河内 正康 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90335357)
谷井 久志 三重大学, 医学部, 講師 (40346200)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイド蛋白 / 小胞体ストレス / 分子シャペロン / 小胞体 / ストレス / Aβ / APP / カスペース / プロテオソーム / アポトーシス |
研究概要 |
アルツハイマー病(AD)の病態過程は、アミロイド蛋白Aβの産生上昇を主因として進行するとする「アミロイドカスケード仮説」が広く受け入れられているが、Aβ産生上昇機序については不明な点が多い。一方、ADをはじめ、パーキンソン病、ポリグルタミン病等の神経変性疾患は神経細胞内の異常蓄積が小胞体(ER)ストレスを介して神経細胞死をまねくとする報告が近年増えつつある。我々は以前、presenilin 1の変異体は神経細胞の小胞体(ER)ストレス反応を低下させることを報告した。アミロイドカスケード仮説の観点から、ERストレスがアミロイドβ蛋白(Aβ)の産生に影響するのか興味深い問題である。神経細胞にERストレスを負荷すると、Aβ40およびAβ42の産生は低下することが明らかになった。免疫組織化学および細胞小器官分画による検討から、ERストレスはアミロイド前駆体蛋白(APP)の局在をlate compartmentからearly compartmentに異動させ、γ切断の場からAPPを離すことで、Aβ産生を低下させるという機序が想定された。ERストレス下でのAPPとERシャペロンであるBiPとの結合は、増強してあり、BiPと結合したAPPがER等のearly compartmentに戻されると考えられた。ERストレス反応が障害された細胞では、この機序が働かず、相対的にAβの蓄積が上昇すると考えられた。今回の結果は、ERストレスによるシャペロン誘導が、Aβ産生の調節機構のひとつとして働くことを示唆するものである。
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