研究課題/領域番号 |
15591226
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 島根大学 (2004) 島根大学(医学部) (2003) |
研究代表者 |
堀口 淳 島根大学, 医学部, 教授 (90136317)
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研究分担者 |
稲垣 卓司 島根大学, 医学部, 助教授 (80176388)
宮岡 剛 島根大学, 医学部, 講師 (50284047)
水野 創一 島根大学, 医学部, 講師 (80335562)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | レストレス・レッグズ症候群 / 睡眠時ポリグラフ検査 / 睡眠 / アカシジア / 睡眠時ミオクローヌス / 鉄 / 薬物療法 / リスペリドン / レストレス・レッグス症候群 |
研究概要 |
15〜16年度の研究期間中に予定通り以下のような検討を実施し、新たな知見を得た。 1)レストレス・レッグズ症候群を対象とした研究 (1)睡眠ポリグラフ検査結果所見 レストレス・レッグズ症候群(19例:男性10例、女性9例;平均年齢59.1±15.9歳)を対象に睡眠ポリグラフ検査を実施し、19夜の平均値としての睡眠構造所見は以下のごとくであった。Time in bed 534±66.6分、Sleep period time 508.1±64.9分、Total sleep time 397.9±89.3分、睡眠効率74.8±75.3%、睡眠潜時27.1±17.6分であり、Sleep period timeに占める各睡眠段階の割合は、Wake 15.87±14.9%、REM3.1±3.9%、Stagel 15.8±10.1%、Stage2 58.6±19.6%、Stage3 1.2±2.1%、Stage4 0.1±0.2%であった。またPLM(睡眠時ミオクローヌス)indexは143.23±212.96であった。 (2)薬物治療成績 19例中7例に薬物療法を実施し、clonaepam単剤が奏効したものが5例、clonazepam単剤が奏効せずメシル酸ペルゴリドの併用投与が奏効したものが2例であった。さらに新たに鉄剤投与例3例の投与前後の睡眠ポリグラフ検査結果を比較検討した。対象は3例(男性1例、女性2例;平均年齢67.2±8.4歳)で、詳細な睡眠パラメーターの結果は紙面の都合上省略するが、いずれも自覚的な症状が軽快し、PLM indexは投与前(116.34±193)から投与後(22.63±21.89)へと有意に低下した。 2)抗精神病薬誘発性アカシジアを対象とした研究 (1)アカシジアの研究成績 これまでに得られたわれわれのデータではアカシジアの治療後にはPLM(睡眠時ミオクローヌス)>5の割合が減少し、総睡眠時間とStage2及びSWSが増加し、Arousal Indexが減少し、Inter-Movement Intervalが延長した。 (2)健康成人を対象とした研究成績 新たに健康成人を対象に非内服夜と抗精神病薬であるrisperidone(1mg)内服夜の睡眠ポリグラフ検査に及ぼす影響を検討した。対象は8例の健康成人(男子大学生)で、第1夜を順応夜、第2夜を基準夜、第3夜を薬物夜とし、睡眠ポリグラフ検査を実施した。基準夜と薬物夜との間で、Stage REMの有意な減少を認めた。またStagelは有意な変化を示さなかったが、Stage2は有意に増加した。さらに両者の間で、SWS、睡眠効率、睡眠潜時、REM潜時に有意な差は認められなかった。 3)研究成績のまとめ 以上の研究成果から、難治性アカシジアやレストレス・レッグズ症候群の病態にPMLが関連し薬物治療効果のマーカーとなること、またレストレス・レッグズ症候群では脳脊髄液中のフェリチン濃度が低く、この病態が鉄剤が奏功することと関連していることが明らかとなった。また健康成人へのrisperidoneの投与が睡眠効果を有し、今後の統合失調症を対象とする新たな睡眠研究の基本データが得られた。
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