研究課題/領域番号 |
15591233
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 宮崎大学 (2004) 宮崎大学(医学部) (2003) |
研究代表者 |
石塚 雄太 宮崎大学, 医学部, 講師 (20264377)
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研究分担者 |
安部 博史 宮崎大学, 医学部, 助手 (20344848)
石田 康 宮崎大学, 医学部, 教授 (20212897)
河南 洋 宮崎大学, 医学部, 教授 (00049058)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | α1b-アドレナリン受容体 / 自発的交替行動率 / パゾプレッシンV1b受容体 / 不安行動 / セロトニン / バゾプレッシンVlb受容体 / SSRI / SNRI / アドレナリン受容体 / α1b / α1d / ノックアウトマウス / Y字型迷路 |
研究概要 |
α1b-アドレナリン受容体(α1b-AR)は、血圧・神経内分泌・情動・学習記憶行動に深く関連し、α1d-ARは、視床下部室傍核に認められ、視床下部-下垂体-副腎系と密接に関連していることが示されている。しかし、作業記憶・不安行動におけるα1b-AR・α1d-ARの機能差については十分に明確にされていないため、α1b-ARノックアウト(KO)マウス、α1bd-AR-KOマウスを用いて、廊下式Y字型迷路実験や高架式十字迷路実験により検討した。次に、バゾプレッシンV1b受容体(V1bR)は、不安や攻撃的行動と関連し、視床下部-下垂体-副腎系をストレス時にコントロールしていることが明らかにされ、V1bR拮抗薬は、抗不安作用や抗うつ作用を有することが示唆されている。しかし、V1bRが不安行動とどのように関連し、機能しているかはまだ十分に解明されていないため、V1bR-KOマウスを用いて、廊下式Y字型迷路実験や高架式十字迷路実験により検討した。さらに、不安行動においてV1bRとセロトニンの関連を検討するために、SSRIまたはSNRIをV1bR-KOマウスに投与して、その効果を調べた。α1b-AR-KOマウスの自発的交替行動率は、WTマウスやα1bd-AR-KOマウスより有意に高く、中央部滞在時間はWTマウスよりも有意に長かった。これらのことより、α1b-AR-KOマウスは、中央部に滞在後、効率よくアームの選択を行っている可能性が示唆された。α1b-A-KOマウス、α1bd-AR-KOマウス、WTマウスの間では、高架式十字迷路実験において、有意差は認められず、不安行動と受容体のサブタイプ間には、機能差は認められなかった。Y字型迷路実験では、自発的交替行動率・進入回数に関して、V1bR-KOマウスとWTマウスの間には、有意差はみられなかった。高架式十字迷路実験では、V1bR-KOマウスは、WTマウスに比較して、open arms滞在時間、open arms/total arms進入回数%が有意に増加したが、total arms進入回数に有意差は認められなかった。また、WTマウスにパロキセチンまたはミルナシプランを投与した群では、コントロール群と比較して、open arms滞在時間、open arms/total arms進入回数%が有意に増加したが、total arms進入回数に有意差は認められなかった。V1bR-KOマウスにパロキセチンまたはミルナシプランを投与した群では、コントロール群と比較して、open arms滞在時間、open arms/total arms進入回数%、total arms進入回数に有意差はみられなかった。これらのことより、V1bRは、セロトニンと密接に関連しながら、不安行動をコントロールしている可能性が示唆された。
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