研究課題/領域番号 |
15591238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
相馬 仁 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70226702)
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研究分担者 |
齋藤 利和 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50128518)
橋本 恵理 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30301401)
黒木 由夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70161784)
小澤 寛樹 長崎大学, 医学部, 教授 (50260766)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アルコール / 依存形成薬物 / 細胞障害 / カルシウムストレス / 認知症 / アネキシン / 神経栄養因子 / 分化 / 神経家用因子 / BDNF / CREB / アポトーシス / Ca^<2+>-イオノフォア / 転写調節因子 / アルコール障害 / アルツハイマー病 / ストレス障害 |
研究概要 |
慢性的にアルコール暴露を受けると、細胞はイオンチャネル活性の亢進によるCa^<2+>細胞障害がもたらされる。一方、アルツハイマー病に代表される認知症でも同様にCa^<2+>チャネルの活性化に伴うCa^<2+>ストレスをうけ、Ca^<2+>による神経細胞障害がこれらの疾患で共通する。神経培養細胞を用いた検討で、アルコール暴露によってアネキシンA4の発現が増大し、転写調節因子NF-κBの活性化が起こることが明らかになった。アネキシンA4はNF-κBと結合し、また、アネキシンA4のCa^<2+>結合部位がNF-κBの活性化に必須であることもわかった。 つぎに、神経培養細胞にCa^<2+>イオノフォアによるカルシウムストレスを加え、細胞から分泌される蛋白質を検討した。脂質と相互作用する蛋白質群は、血液脳関門を構成する細胞の膜間を通過(移動)し血液へ移行する可能性があり、分子マーカーを考える上で有効である。二次元電気泳動法、蛋白質スポットのトリプシン分解後、LC-MSによる解析により、アネキシンA5、アネキシンA2、フェツイン、SLUG蛋白質が同定された。 次にアネキシンA5に注目し、ヒト血漿で検討した。2種のモノクローン抗体を用いたサンドイッチELISAシステムを確立し、認知症患者(アルコール性、アルツハイマー型、脳血管性)と対照の健常者の血漿中アネキシンA5量を比較した結果、アルコール性、アルツハイマー型、脳血管性患者のいずれにおいてもアネキシンA5濃度は有意に高かった。しかし、この方法は早期の認知症を検出するには不十分であった。 これらの結果より、アネキシンA5が分子マーカーとなると考えられる。更に他の複数の分子マーカーが明らかになれば、認知症の各タイプの識別が可能になることが期待される。
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