研究課題
基盤研究(C)
EGFPをfusionさせたDDB1をstableに発現するHEK293細胞株(EGFP-DDB1-HRK293-1)にを樹立さした。EGFP-DDB1-HEK293-1とHEK293細胞株において、UVにより生成されるDNA損傷(CPDs及び6-4PPs)の修復について比較を行ったが、修復の速度には違いがみられず、DDB1の多量発現は損傷の修復に影響のいないことが確認された。また、EGFP-DDB1-HRK293-1とHEK293細胞株の間には、分裂速度の差もみられなかった。EGFP-DDB1-HEK293-1に酸素負荷を加え、37℃にstageが保たれた蛍光顕微鏡を用いてreal timeに蛍光標識DDB1が核に移動することを観察した。酸素負荷としては、低酸素状態及びその状態からの急速な酸素分圧上昇(酸素濃度をコントロール可能なインキュベーターを使用)、過酸化水素の添加を検討した。生細胞で局所蛍光量を経時的に測定し、stress種類及びその強度の違いによるDDB1動態(移行する蛍光量、移行し始める時間、移行前後での蛍光量の細胞質/核比)の違いについて検討した。また、20J/m^2UV照射や1〜20gyの放射線により生じるDNA損傷に伴うDDB1の動態との比較検討も行ったところ、DDB1の移行量は放射線照射によるものが最も大きく、DNA傷害を与えた後約24時間で蛍光量の移行が最大に達した。また、負荷を与えた後約48時間には、DDB1は再び細胞質へ移行した。これらのことから、DDB1は多くの遺伝子損傷に対応し、何らかのシグナルを細胞体から核に輸送することに関わっているシャペロン様の働きを持つのではないかと考えられた。また、EGFPをfusionさせたDDB1をstableに発現するSKN-MC神経芽細胞種株を樹立を目指したが、DDB1の全長を発現する細胞株は得られなかった。全長DDB1の大量発現はSKN-MC神経芽細胞種株にとって有害であることが示唆された。C末端を欠いた細胞株が得られた。C末端を欠いたDDB1は、APP断片との結合部位を持たないことから、APP断片の核への移行は神経細胞にとって有害ではないかと推測された。
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DNA Repair (Amst) 3
ページ: 1475-1482
J.Invest.Dermatol 122
ページ: 526-532
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