研究課題/領域番号 |
15591254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
安達 真人 山形大, 医学部, 助教授 (80212520)
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研究分担者 |
川勝 忍 山形大学, 医学部, 助教授 (00211178)
細矢 貴亮 山形大学, 医学部, 教授 (50143102)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | Alzheimer disease / hippocampus / MRI / 拡散強調増 |
研究概要 |
目的:海馬(hippocampal formation)の内部構造を描出し、早期Alzheimer病における海馬内部の形態学的な変化を明らかにすること。 方法:前後方向に拡散検出用傾斜磁場(motion probing gradient : MPG)を印加した拡散強調像を用い、乳頭体の中心から背側へ6mmおきに4枚の冠状断像を掃像した。海馬体部が描出される乳頭体から背側12mmの断面を用い、海馬台(subiculam)、アンモン角(CA1、CA3-4)の幅とCA3-4の高さを計測。 対象:Age-matched control群14例(男性6例、女性8例)。平均年齢:65.0±6.3才。Alzheimer群26例。Alzheimer群は、minimental status examination(MMSE)score(満点、30点)を基に、25点以上を軽症群、25点未満を中等度群に分けて解析。軽症群12例(男性4例、女性8例)。平均年齢:67.9±7.1才。中等度群14例(男性3例、女性11例)。平均年齢:70.0±7.8才。 結果:controlおよびAlzheimer病症例において海馬台・アンモン角は高信号に、線維束(浅髄板)は低信号に描出され、明瞭な渦巻き構造が認められた。海馬内部構造の計測結果は以下のとおり。 control群における海馬台、CA1の幅の平均は、2.41±0.60mm、2.05±0.20mm。CA3-4の幅と高さは7.14±0.75mm、4.38±0.71mm。軽症Alzheimer群では海馬台とCA1の幅の平均は、1.58±0.51mm、1.75±0.25mm。CA3-4の幅と高さは、6.48±0.87mm、5.03±0.49mm.中等度Alzheimer群では海馬台とCA1の幅の平均は、0.94±0.50mm、1.56±0.27mm.CA3-4の幅と高さは、5.50±0.50mm、5.08±0.70mm。統計解析の結果、海馬台とCA1についてはcontrolと軽症AD群、中等度ADの間に有意差が見られた(p<0.01)。CA3-4の幅についてはcontrolと中等度AD群(p<0.01)、軽症AD群と中等度AD群(p<0.05)との間に有意差が見られた。CAの高さについてはそれぞれの群の間に有意差は見られなかった。 これらの結果は、Alzheimer病では海馬のなかでもsubiculam〜CA1の部位の萎縮が特に強く起こっていることを示唆していた。尚、15年度はピック病13例、瀰慢性レビー小体病10例についても計測を行っている。Alzheimer病の計測結果については、Am J Neuroradiol(2003)に掲載された。
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