研究課題
基盤研究(C)
分子標的治療は、標的とする細胞に特異的であるため副作用が少ない利点を有する。治療薬が作用した細胞はブドウ糖代謝が低下してFDGの集積が減少するとの仮定に基づいて、臨床例においてFDGの集積と腫瘍の悪性度ならびに治療効果との関連を検討した。消化器の間質系腫瘍であるGastrointestinal stromal tumor(GIST)は、悪性度を治療前に診断することが困難であり、通常は腫瘍径や生検組織の細胞分裂などを指標として判断する。FDG-PETで評価したFDGの腫瘍への集積は、手術で得られた腫瘍組織の細胞分裂や増殖の指標と相関しており悪性度の評価に有用であった。さらにimatinib mesylateによる治療効果判定にFDG-PETが有用である可能性があるため検討を行っている。悪性リンパ腫に対しては従来からの化学療法の他に抗CD20抗体が奏功する。FDG-PETは全身を撮像して悪性リンパ腫の病期診断に有用である。またFDG集積の程度はブドウ糖代謝を反映するため、治療効果の予測や予後に関する情報を提供する。抗CD20抗体による治療後に完全緩解の得られた患者において、病巣のFDG集積は著明に減少していた。従来から判定に用いられているCTでは病巣が完全には消失していないことがあり、抗CD20抗体による治療の効果判定にFDG-PETは有用と考えられた。またFDG-PETは再発の診断にも有用であった。化学療法と抗CD20抗体の併用療法を含む多数の症例を対象に研究を進めており、治療前のFDG集積ならびに治療前後のFDG集積の変化と治療効果ならび予後との比較を行っている。これらの結果から抗CD20抗体を用いる治療効果の判定におけるFDG-PETの最適な利用法と、治療効果を早期に正しく評価することで治療法選択と予後の改善に役立つ可能性がある。また肺癌に対するgefitinibの効果は上皮増殖因子受容体の変異との関連が言われており、対象症例の治療効果判定におけるFDG-PETの有用性のデータを集積している。
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