配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
【目的】非侵襲的に頭蓋内環境を評価するために,磁気共鳴画像(MRI)を使用して頭蓋内コンプライアンスを測定した. 【方法】頭蓋内コンプライアンス指標(ICCI : intracranial compliance index)は,phase-contrast(PC) cine MRIで測定した心周期における正味の頭蓋流入出血液および脳脊髄液流量から求めた最大頭蓋内容積変化と最大圧力勾配変化の比から得た.ファントム実験および正常圧水頭症例および脳萎縮または無症候性脳室拡大例,健常ボランティアにおいて,ICCIを比較検討した.同時に,髄液時間流量波形伝達関数の積分値から求めた頭蓋内力学的特性を表す時定数を測定した.さらに,ICCIの血流動態依存性を確認するために,acetazolamide静脈注入前後における変化も解析した.以上の値は,シャント手術時において測定した侵襲的コンプライアンス測定であるpressure volume response(VPR)と比較した. 【結果】正常圧水頭症群におけるICCIは,脳萎縮または無症候性脳室拡大群および健常ボランティア群よりも有意に小さかった.しかし,無症候性脳室拡大群と健常ボランティア群においては,有意な違いは認められなかった.また,acetazolamide注入前後で,ICCIの有意な変化は認められなかった(血流動態と独立).ICCIと時定数との比較においては,よく一致していた.ICCIとVPRは強い負の相関が認められた. 【結論】PC cine MRIで測定したICCIによるコンプライアンス解析は,非侵襲的に詳細な頭蓋内環境の状態を評価可能であり,正常圧水頭症の補助的診断となりうる.
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