研究課題/領域番号 |
15591269
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐賀 恒夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40273445)
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研究分担者 |
大屋 夏生 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70281095)
向 高広 (向 高弘) 京都大学, 医学研究科, 助手 (30284706)
河嶋 秀和 京都大学, 医学研究科, 助手 (70359438)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 脳腫瘍 / 悪性度診断 / 治療効果判定 / ポジトロン断層法 / フッ素標識チミジン誘導体 |
研究概要 |
まずマウスにおけるフッ素標識チミジン誘導体(FLT)の分布を検討した。FLTの移植腫瘍への高い集積が認められたが、FLTの分布に対するコンカナバリンA(Con A)の影響の検討により、FLTは腫瘍のみならず、Con Aによって活性化されたリンパ球にも取り込まれることが示された。 臨床的検討は、脳腫瘍を中心に、40症例、53回のFLT-PET検査を行った。同意を得た被検者にFLT約370MBqを静脈内投与、頭部の撮像は40分後よりエミッションスキャン20分、トランスミッションスキャン3分、躯幹部の撮像は50分後よりエミッションスキャン3分x5〜6フレーム、トランスミッションスキャン1分x5〜6フレームを行った。病巣に関心領域を設定し、集積の半定量値(SUV)を測定、病理診断と比較した。 脳腫瘍への集積は組織学的悪性度を反映し、グリオーマの悪性度が増すにつれてSUVが高値を示した。悪性リンパ腫や転移性脳腫瘍も悪性のグリオーマと同程度の集積を示した。細胞増殖マーカー(MIB-1 index)の発現が検討可能であった症例では、SUVとMIB-1 indexの間に正の相関が認められた。 脳腫瘍の再発が疑われた症例では、悪性転化した再発病巣を検出可能であったが、肉芽腫や悪性度の低い再発腫瘍の中にも高集積を示すものがあり、以前に治療を行った症例の評価には注意が必要と考えられた。 躯幹部腫瘍では、肺癌3症例、膵癌2症例を対象に検討したが、いずれも腫瘍は陽性に描出された。 治療効果判定は10症例で検討した。元々集積の低かった脳悪性リンパ腫の2例を除いて、治療中〜治療終了後早期にFLTの集積は低下し、治療後早期の効果判定に有用であると考えられた。
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