研究分担者 |
二村 雄次 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80126888)
梛野 正人 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20237564)
小田 高司 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30311715)
新井 利幸 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (80335041)
湯浅 典博 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00303610)
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研究概要 |
1.ラット分離肝還流法による実験により,ステロイド投与により基礎胆汁流量の有意な増加をかくにんした.還流24時間前,デキサメサゾン(1.6mg)を腹腔内投与し,対照群と比較した.還流修了時における胆汁分泌量をていじする. 2.495±0.299μL/min/g liver デキサメサゾン投与群 2.152±0.083μL/min/g liver 対照群 P=0.0162 有意差あり. 2.内因性硫化水素は,cystathionineγ-lyase(CSE)によるcysteine代謝より産生される.まず,肝における内因性硫化水素に着目し,ガスクロマトグラフィー法にて,そのラット肝における組織内産生量を測定したところ,約80μmol/g tissueとの結果をた.同時に,免疫染色法にて肝におけるCSEの局在性をしょうめいした. 3.CSE阻害剤であるpropagylglycine(PPG)の投与により内因性硫化水素は有意に減少することをかくにんした. 4.この条件下において,in vivoおよび分離肝還流法によるex vivoの2条件で,胆汁排出量とその組成に関して検討した. (1)PPG投与により,基礎胆汁流量は対照群に比し有意に増加し,内因性硫化水素の減少により胆汁流量の増加をしょうめいした. (2)PPG投与下にさらに,外因性硫化水素としてNaHSを追加投与した場合,上記増加分は完全に抑制され,硫化水素が,ガス状物質として胆汁流量調節を行っていることをしょうめいした. (3)この胆汁流量変化は,胆汁中重炭酸イオンの増減と相関していることを,胆汁組成の解析でしょうめいした.
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