研究概要 |
(平成15年度)1.アデノウイルスベクターの作製. CEA発現ベクター(AxCACEA)をCOS-TPC法にて作製し,マウスDCへ感染させ,導入効率を検討した.またGMCSF発現ベクター(AxCAGM-CSF),IL-12発現ベクター(AxCAIL-12)を調整した. 2.CEA transenic miceの調整. CEA transgenic miceの繁殖を行い,産駒DNAよりCEA発現を確認. (平成16年度)1.CEA transgenic miceにおける脾細胞を用いた細胞傷害活性に関する検討. Group1:PBS,Group2:DC-AxCALacZ(LacZ遺伝子導入DC接種群),Group3:DC-AxCACEA(CEA遺伝子導入DC接種群),Group4:DC-AxCACEA/GM-CSF/IL-12(CEA,GM-CSF,IL-12遺伝子導入DC接毬群)にわけ(各群n=5)CEA transgenic mice背部皮下にDCを接種し,14日後に脾臓を採取し脾細胞をEffector細胞とした細胞傷害活性を^<51>Cr-release-assayにて行った.CEA感染DC接穂にて得られた脾細胞はMC38-CEAに対し強い細胞傷害活性を示すが,MC38やMC38-BGPには傷害活性を認めず,CEA特異的な傷害活性を示した.またDC-AxCACEAと比較してDC-AxCACEA/GM-CSF/IL-12は有意に強力な細胞傷害活性を認めた. 2.CEA transgenic miceにおける皮下腫瘍モデルに対する抗腫瘍効果に関する検討. MC38-CEA(1×10^6個)をマウス(各群n=5)の背部皮下に移植し,5日後に次の5つの治療法を行い,35日目の皮下腫瘍の大きさとマウスの生存期間を検討した.GroupI:PBS,Group2:DC-AxCALacZ,Group3:DC-AxCACEA,Group4:DC-AxCACEA/IL-12,Group5:DC-AxCACEA/GM-CSF,Group6:DC-AxCACEA/GM-CSF/IL-12.Group3,4,5,6はコントロール群と比較して有意に強力な腫瘍増殖抑制効果を認めGroup6のCEA,GM-CSF,IL-12併用群では5匹中4匹に腫瘍完全消失を認めた. 3.CEA遺伝子導入ヒト末梢血由来DC用いたin vitroでのCEA特異的CTLの誘導実験. CEA感染ヒトDCをstimulator,自己PBMCをresponderとして刺激し,3回刺激にてCTLを誘導.自己LCLにAxCACEAを感染させたLCL-CEA,LCL-LacZをTargetにした^<51>Cr-release-assayにて細胞傷害活性を検討した.DC-AxCACEAはLCL-CEAを強く傷害するのに対し,LCL-LacZを認識せずCEA特異的なCTLが誘導された.またこのCTLはHLA A24陽性癌細胞株のうちCEA産生株のみを選択的に傷害し,CEA特異性はヒト癌細胞株でも証明された. (平成17年度)1.CEA transgenic miceにおける抗腫瘍効果と免疫組織染. MC38-CEA(5×10^6個)をマウスの背部皮下に移植し,14日後に次の3つの治療法を行い,7日目に儀死後皮下腫瘍を取り出し,一部をホルマリン固定後HE染色し,組織の病理学的診断をした.さらに一部の腫瘍組織は凍結切片にし,CEA,CD4,CD8,NKの蛍光免疫染色を行い腫瘍組織中の細胞表面マーカーを確認した.DC-AxCACEA/GM-CSF/IL-12接種群はコントロール群と比較して著明な腫瘍縮小を認め,さらに治療グループは腫瘍組織のHE染色にて著明なリンパ球浸潤や腫瘍壊死像を認めた.またこの腫瘍組織は蛍光免疫染色にてCD8細胞NK細胞の浸潤を認めた. 2.CEA transgenic miceにおけるDCワクチン後の副作用に関する検討. 治療群の血漕AST ALT Crはコントロール群と差を認めず,また自己免疫応答は認めなかった.現在上記内容の諭文を投稿中である.
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