研究課題/領域番号 |
15591362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
青木 武士 昭和大学, 医学部, 助手 (30317515)
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研究分担者 |
草野 満夫 昭和大学, 医学部, 教授 (70091569)
加藤 博久 昭和大学, 医学部, 助手 (10286784)
清水 喜徳 昭和大学, 医学部, 助手 (00276552)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 骨髄移植 / 無アルブミンラット / 肝細胞増殖因子 / 糖尿病 / インスリン産生細胞 / 細胞移植 / 骨髄細胞 / 肝幹細胞 / スナムセル / 肝細胞移植 / 骨髄細胞移植 |
研究概要 |
骨髄細胞の多分化能を肝および膵のラットモデルにおいて明らかにした。初年度は、Nagase analbuminemic rat(NAR)を用いて、骨髄細胞を門脈内へ移植し、骨髄細胞の肝細胞分化誘導の可能性を検討。次年度は、同モデルにおいて長期観察期間を設定し、血清中アルブミン濃度の変化を検討するとともに、骨髄細胞移植の糖尿病モデルに対する有効性も合わせて検討した。 <平成15年度> NARに骨髄細胞移植し、移植後血清アルブミン値、移植細胞動態を検討した。A群:骨髄細胞移植群、B群:肝細胞移植群、C群:コントロール群とし移植前後計3週間FK506を投与。移植骨髄細胞分化誘導の可能性について蛍光顕微鏡下免疫組織学的検査にて検討し血清アルブミン値を測定した。PKH-26GLにてラベルされた移植骨髄細胞は移植2週間後にzone1付近のsinusoidal areaに認められ、アルブミン染色にてアルブミン陽性のPKH-26GL positive細胞を認めた。移植8週後になると、移植骨髄細胞は一部clusterを形成し、アルブミンに陽性発現していた。骨髄移植後血清アルブミン値は、移植後1ケ月より上昇し、その値が漸減するB群に比較し有意に高値を維持した。また血清中HGF濃度は、移植後2, 8週後に2峰性のpeakを示し、早期のpeakはアルブミン値上昇に関与し、また2つ目のpeakはアルブミン値の維持に関与することが示唆された。 <平成16年度> さらにラット糖尿病モデルに骨髄細胞移植し、HGF産生能、さらに膵管上皮細胞のインスリン産生細胞への分化過程におけるHGF/c-Metの関与を検討した。移植骨髄細胞は脾、肝、肺、膵に生着分布し、HGFに陽性発現していた。さらに肝中心静脈領域(zone-3)の肝細胞はHGFに強陽性発現しており、移植細胞生着域に一致し、血清EGFは有意に増加を認めた。 骨髄細胞門脈内移植により移植骨髄細胞の肝細胞分化誘導の可能性が示唆され、先天的遺伝子欠損型肝疾患に対する新たな治療戦略として期待された。また同細胞移植は、糖尿病モデルにおいてもHGF/c-Met signaling pathwayを介した機能再生機構の存在が示唆された。
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