研究課題/領域番号 |
15591400
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野寺 久 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50240825)
|
研究分担者 |
長山 聡 京都大学, 医学研究科, 助手 (70362499)
森 章 京都大学, 医学研究科, 助手 (60324646)
鶴山 竜昭 京都大学, 医学研究科, 助手 (00303842)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 直腸癌局所再発 / 宿主免疫 / NKT細胞 / 遺伝子治療 / CpG配列 / 大腸直腸癌 / hydrodynamics法 / 自然免疫 |
研究概要 |
近年免疫臓器としての腸管の機能解析が進みつつある。広大な面積を占める腸管粘膜は異種抗原や刺激物質、腫瘍などに対して最前線の防御機構としての役割を果たしている。われわれはTCRVα24-PE/Vβ11-FITCによる二重免疫組織染色でNKT細胞を同定、TCR-Vα24染色(DAB)により大腸癌細胞周辺および癌細胞内のNKT細胞の局在をはじめて確認した。その臨床例解析により大腸直腸癌におけるNKT細胞は、リンパ節転移陰性例、壁深達の進んだ症例、Dukes AB症例で多く発現し、有意な予後因子であることを明らかにした。一方炎症と癌との比較のため潰瘍性大腸炎7例と大腸癌24例でTCR-Va24抗体を用いてCSA法による免疫組織染色を行ったところ、UCの活動度が高い部位にはVa24NKT細胞も高度に浸潤していた。UCのVa24NKT細胞数は、正常粘膜や癌部に比べて有意に高値であった(p<0.0001)。ヒト移植小腸におけるレシピエント細胞抗原負荷に対する小腸MALT系の反応の解析も行ったが、拒絶反応におけるレシピエント細胞の浸潤と同期してCD11c+CD8-パイエル板樹状細胞の活性化がおこりパイエル板の腫脹がおこることを発見した 遺伝子治療の基礎としてはhydrodynamics法を用いたmock plasmid投与が肝転移を抑制する機序についてマウス大腸癌株CT26を用いて検討した。hydrodynamics法は静注に比べて有意に肝転移を抑制し、plasmidのCpG配列をメチル化すると抗腫瘍効果が減弱し、これはNK細胞が関与することを発見した。 宿主における炎症や癌の進展において、NKT細胞やNK細胞など自然免疫に関与する細胞が深く関与することを明らかにでき、今後の直腸癌局所再発の治療戦略に大きな示唆を与えることができた。
|