研究課題/領域番号 |
15591412
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 文明 九州大学, 大学病院, 助手 (30332836)
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研究分担者 |
森 正樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70190999)
宇都宮 徹 九州大学, 大学病院, 講師 (30304801)
三森 功士 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50322748)
吉河 康二 九州大学, 大学病院, 助教授 (80124816)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 抗癌剤 / 樹状細胞 / 凍結療法 / キラーT細胞 / CD8陽性細胞 |
研究概要 |
マウスを用いた基礎実験 【目的】低用量抗癌剤投与により破壊される癌細胞に対して樹状細胞を直接腫瘍内局所注入し、薬剤による抗腫瘍効果に加えて免疫を介した特異的抗腫瘍効果を解析すること。【方法】C57BL/6マウスに同系大腸癌細胞MC38細胞を皮下左右両側に投与し腫瘍塊を形成した後に、(1)低濃度抗癌剤(5-FU 10mg/kg, CDDP 0.1mg/kg)を1週間腹腔内投与した後にDCを腫瘍内局所注入した群、(2)抗癌剤のみ投与した群、(3)DCのみ投与した群、(4)未治療群に分け解析を行った。DCは抗癌剤投与前の担癌状態のマウスから作製された。【結果】in vitro解析にて、同濃度の抗癌剤存在下での培養6時間で64%の細胞がアポトーシスを起こすことをAnnexin V/PI染色を用いて明らかにした。in vivoでの解析では、抗癌剤投与により腫瘍塊の一部にアポトーシスが認められた。抗癌剤+DC投与群はそれぞれ抗癌剤、DC単独治療群と比較し有意に腫瘍増殖を抑制し、生存日数の延長も認められた(p<0.01)。腫瘍増殖抑制効果は、DC局所注入した腫瘍のみならず、遠隔部腫瘍に対しても著明に認められた(p<0.01)。抗癌剤+DC投与群から摘出したリンパ節細胞と脾細胞を用いたin vitro解析では、投与した癌細胞に対する強力な殺細胞効果を発揮し(p<0.01)、またそのエフェクター細胞はCD8陽性細胞によって発揮され(p<0.01)CD4陽性細胞はその傾向を示すにとどまった(P=0.08)。その殺細胞効果は、投与した大腸癌細胞MC38に特異的であることも示された。【結論】現在、進行消化器癌患者に対してこの低濃度抗癌剤投与が実際に行われ、血球減少などの副作用を軽減しつつある程度の抗腫瘍効果を発揮している。今回の研究により、低濃度抗癌剤を使用した後にDCを腫瘍内に直接局所投与することにより強力な特異的抗腫瘍効果を発揮することを明らかにした。このことは、多発転移を有する担癌患者に対して相乗的な効果を発揮する免疫化学療法となり得る可能性を示唆するものである。 ヒト由来の癌細胞及び末梢血から作製した樹状細胞を用いたin vitroでの解析 株化癌細胞を抗癌剤で処理し、ヒト末梢血から作製した樹状細胞を混合培養しキラーT細胞を誘導した。その結果、タキサン系薬剤がキラーT細胞誘導に有用であることが明らかになった。
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